放課後。
なっちゃんは、帰りの準備をする瀬戸口くんに合わせて急いで準備をしていた。
私と美桜は顔を見合わせて、クスクスと笑っていた。
私達はササッと風のように、教室の外に出ると中腰になって覗いた。
様子を見る感じに、二人はいい感じであった。
_なっちゃん side_
昨日の帰り、あなたと美桜とあかりと帰っている時に宣言したから、これはしなくてはっ…!と思ってしまう。
優に合わせて準備したはいいものの、どうやって呼び止めようか迷う。
焦るばかりで、自分の本当の気持ちが出てこない。
心の奥底でモゾモゾも動いている恋心。
声は震えていたけど、だけど、君に大好きを伝えたくて。
いつもの私とは何だか違う、私。
君は笑顔で微笑んで。
って。
その日の帰りは、
優の自転車の後ろに乗せて貰った。
私のドキドキする胸の音は、
優に聞こえていないかな?
でも、この胸の音は聞こえてて欲しいな。
_なっちゃん side end_
私は手を振って、美桜と別れた。
自慢の足の速さで学校に戻ると、校門に雛ちゃんが仁王立ちをして待っていた。
私は部室に行くと、部活用のジャージに着替えた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。