学校の校門から出ると、璃樹が寄ってきた。
「あっ!」と声を上げ、手帳を確認すると今日は撮影の日だと気づいた。
璃樹について行き、少し離れた所にマネちゃの車が止まっていた。
その車から醸し出された空気が、凄く重々しい。
ゆっくりと扉を開けて中に入ると、般若みたいな顔をしたマネちゃが運転席に座っていた。
そんな事も気にせず、璃樹は助手席側に座った。
マネちゃは車をぶっ飛ばした。
撮影場所まで10分もかからなかった。
流石私のマネージャーだなと改めて思った。
私はダッシュで用意された部屋へと向かった。
そして用意されていた服装に着替えた。
そんな事はマネちゃに言われてない。
それを察した私はマネちゃの方を向いた。
多分嘘をついて私のミスじゃなくて、マネちゃのミスにしてくれたのだろう。
なんて優しい人なのだ。
『初耳だった。
今日の朝とか通学路の時にも全く二人は口を開かなかったし、何なら二人ともお互いに睨み合っていたし。』
『そんな、驚いた顔をされても…と私は思ってしまった。』
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!