杣side
二輪車訓練を終えて次は実務研修だ
制服に身を包んだ同期が並んで教官の到着を待つ中、
漆原が遅れて到着した
漆原「すいません!遅れました!」
...また遅刻か
鳥羽「...またかよ」
漆原「小さい時から時間の感覚が掴めなくて...」
鳥羽「何だそれ」
比嘉「漆原、頭の中で10秒数えて手を挙げて?」
よーい、スタートの合図で
バインダーを叩きすぐさま漆原は手を挙げた
比嘉「え、嘘だろお前」
吉村「え、どうなってんだお前の時計」
漆原「でもですね...
親が『ここは厳しいから卒業するまでにはまともになる』って...」
芹沢「人任せ…」
どんな親だよ
そう思っていたら教場当番の生徒が戻ってきた
「気を付け!教官に注目!!
よろしくお願いします!」
「「よろしくお願いします!」」
須賀「休め。
今日は事件現場への臨場及び初動捜査について学んでもらう
交番に通報があり、現場へ駆けつける際の注意点は
...わかる奴いないのか!!杣!」
杣「はい!現場へ向かう途中も周囲への注意を怠らず不審者の発見に努めること」
須賀「臨場は」
比嘉「はい!110番で本部に飛び込み報告をして通報者に状況を話してもらいます」
須賀「それから?」
比嘉「それから...」
須賀「他の者もわからないなら全員腕立て...」
杣「通報内容を署活系無線で幹部及び相勤者に知らせる同時に通報した者の挙動に注意を払う」
須賀「分かってんだったら最初から言え!!...まぁいいだろう」
どうして答えた俺が叱られなければならないんだ
だったら絶対わかっているのに答えなかった芹沢や橘を叱ってくれ
須賀「第一班は事件現場へ移動」
「「はい!」」
須賀「第二班は交番で待機」
「「はい!」」
須賀「第三班から第八班は見学」
「「はい!」」
須賀「気を付け!!始め!」
「「おぉー!」」
第二班の俺と杣、吉村、漆原は交番で待機
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。