比嘉side
夕方、俺は風間教官に剣道の稽古をつけてもらっていた
風間「高校、大学と国体の選手だったそうだな」
比嘉「はい!」
風間「それで警察官に?」
比嘉「迷いませんでした。これからも稽古の相手をさせてください!」
何も言わない教官にジッと見られ、今の自分の発言は失言だったことに気づいた
比嘉「失礼しました!教官に対して生意気なことを!」
風間「たまに違う人に、やってもらうといい」
比嘉「えっ?」
それからは何も言わずに出ていった。
田澤side
夕方、教官室で作業をしていると服部副教官に注意を受けた
服部「今日も生徒とランチをしてましたよね?ちょっとあなたねぇ、生徒と友達のように接するのは止めなさい!
...須賀さんからも」
須賀「まぁーねぇ...」
服部「けじめは必要です」
田澤「須賀さんもそう思いますか?」
須賀「…まぁね、」
服部「あら!?私が来た時生徒と仲良くしたら怒られましたけど!?
随分態度がお違いになりますのねぇ!?」
服部副教官に何を尋ねられても須賀副教官は「まぁね」の一点張りだった
こんな時は教官に聞こう
丁度須賀副教官越しに教官室に入ってくる風間教官の姿が見えた
田澤「お疲れ様です」
「お疲れ様です。あ、通達書類置いておきました」
田澤「ありがとう」
足早に私は風間教官の部屋に足を運んだ。
田澤「失礼します。生徒と仲良くしてはいけませんか...?
皆さん厳しすぎます。たまには優しく接してあげないと...」
風間「…確かここに来るまでは板倉中央署の刑事だったな」
田澤「はい、強行犯係の」
風間「生徒たちの傍に居て何か些細なことはなかったか
些細なことで構わない」
田澤「……忍野めぐみが女子の中でちょっと孤立しているのはご存じですね?
堂本と齋藤と橘が守ってあげています。堂本がトレーニングに誘って鍛えているようです
それから...元気がなくなった鳥羽にも声を掛けて励ましているようです」
風間「それだけか……
君に授業を任せてみよう」
田澤「本当ですか...!?」
その一言がたまらなく嬉しかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!