あれから玲音くんと一週間も話してない。私はホームルームも授業もあんまりまともに聞けなくなった。
朝のホームルームで玲音くんが発言した
え…?この席じゃ嫌だってこと?私の前じゃ…
クラスメイトも玲音くんの意見に賛成してくじで決めることになった
一番はしっこの私に言った学級委員の玲央名
玲央名に助けを求めるように見ても助けてくれないただ首をかしげるだけだった
遂に玲音くんまで回ってきて、私に渡した
でも、もうあの時の様には振り向いてくれない
笑ってくれない…このまま席が離れるなんて…やだよ
私はそう思ったら体が動いて玲音くんの背中に文字を書いた
「スキ」
玲音くんが驚いて振り向く
私はもう涙でぐちょぐちょになっていた
玲音くんはそう言う私の話を静かに聞いてくれた
そこまで言ったときに玲音くんはてを握って大声で言った
焦ったように言う玲音くん
下を向いてポツリポツリと言う玲音くん
クラスメイトも静かに聞いている
玲音くんは私を抱き締めて言った
そこまで言ったときクラスじゅうから喚声があがった。私たちを祝福してくれる声も聞こえる
あの席は私にとっての特等席
でもこれからはあなたの隣が特等席です
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。