第27話

事故
942
2018/05/05 11:17
あの日は大雨の日だった。


初めてあなたに会った。

俺と同い年くらいで、お兄さんの仕事を見に来たと言っていた。


ゆうきさんのその日の仕事は俺たち、防弾少年団のライブに付き添うことだった。
ゆうき
おーい、スタッフさん、こっちの照明ずれてるぞー
スタッフ
はい!修正します!
ゆうき
おい!あっちの垂れ幕が金具に引っかかってる!
スタッフ
修正します!!
あなた

ゆうき兄さん、私どこにいればいい?

ゆうき
スタッフの部屋わかるか?そこで、現場監督さんと一緒にいてくれ。
あなた

わかった!

ゆうきさんは、外の垂れ幕、飾り。
すべてをチェックしていた。



てて
ゆうきさーん!!今日、俺たちの担当だったんですねー!
ゆうき
あぁ!お前たちのライブ楽しみにしてるぞ!
てて
いひひ、任せてよ!
また頭を撫でてくれる。


てて
じゃあ、俺スタンバイするから!
ゆうき
おう!頑張れよ!



その時悲劇はおきた。




俺が走って行く先で組み立て途中の飾りが真っ逆さまに、落ちて来た。



俺はそれに気づかなかった。
ゆうき
テヒョンー!!!!
どんっ!!





ゆうきさんが俺を押しのけ、
飾りの下敷きになってしまった。




この日のことは一度も忘れたことはない。
てて
ゆうきさん!ゆうきさん!!
ゆうき
て、テヒョン。お前はこれからもいっぱいファンを笑顔にしろよ?
ぁっ。あと。っ。
てて
もう喋らないで!!人呼んでくるから!!
ゆうき
待て!!
てて
えっ
ゆうき
あなたに伝えておいてくれ。
これからも兄ちゃんはお前のそばにいる。
なにがあってもな。
ってな。

て、テヒョン。あなたを頼む。

その後からゆうきさんは言葉を紡げなくなった。



俺はあの時、泣きじゃくって何もできなかった。





スタッフさんが気付いた時にはもう、
ゆうきさんは、、、。





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てて
っていう、ことがあったんだ。
未来とはその日に会ったけど、
こんなことがあったし、周りのことなんて
覚えてねーよな。

寂しそうに笑った。

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