家…の形をしたものに帰ると闥さんがいた
家の中にある必要なものを詰めているようだ
私は闥さんに声をかける
そうやって闥さんの体の方に視線を向けると少しかすり傷があった
家が崩れた時に傷ついたのだろうか
私は持っていた絆創膏と消毒液で手当をした
私たちは避難所に行くことにした
その日は何事もなく朝になった
闥さんが作るとなんでも美味しくなってしまう!
本当は料理人になればいいのに私のためにって大学を辞めちゃった
あ、そう、言うのを忘れてたんだけど私と闥さんは従兄弟なの
お父さんは薬にハマってお母さんが酒に溺れて男を作って出て言っちゃったから代わりに来てくれたんだ!
親戚とかもダメ駄目人間でもう頼る人がいないと思ってた
けど闥さんだけは違ったんだ!
泥沼から救ってくれた闥さんは私の恩人なの!
私が朝ごはんを食べようとした時だった
また警報がウーウーとなる
役場の人の声が聞こえる
「ここが見つかった!」
「避難しろ!」
次の瞬間天井がくずれおちる
私は必死に逃げた
何とかここからでようと
逃げている時に闥さんと離れてしまった
だけど時計のとこで集合するという約束があったのでそこに行った
でも
朝になっても闥さんは来なかった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!