夕暮れの公園で、
草むらが揺れて固まってたら
廉が草むらをかき分けて入ってきた
しばらく沈黙が続いたあと
同時に喋っちゃったから
余計に気まづくなった
言うんだ、私、勇気を振り絞って
素直になるんだ。
しばらくして私はうなづいた
せっかく言えると思ったら
廉に止められた
そしてカバンから手紙を差し出してきた
廉に言われたとおり、手紙を開いてみた
そこには
今までありがとう、とか
大好きでした、彼女とお幸せに、とか
ファンの子達の気持ちがぎっしり詰められていた
そう言って廉は無邪気に笑った
てことは、逆プロポーズ的なの、来る感じ、?
廉が微笑むから私も自然と微笑んでた
どこか少し自信がなくなってる感じがする
いつものアピールはどこに行ったんだろ
でもそんなのどうでもいいんだ
私は廉ともう一度、新たな道に進みたいって思ったから。
廉は驚いて固まってた
溜まった喜びが溢れるかのように
強く私に抱きついてくる
呼べば廉は私の顔を覗き込んできた
目が合うの、こんなに恥ずかしかったっけ?
廉のおでこは私のおでこにピッタリくっついた
目を閉じれば廉の唇が
私の唇に重なりあった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。