第10話

ブログ10
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2021/09/14 13:00
俺は持っていた携帯でジョジョのブログを開き、要点ごとに自分の推理を話した。



「あなたの落とした色鉛筆を拾うくらいしかできません(笑)」
ディオ・ブランドー
これ、最初はジョジョの冗談かと思ったが、もしかしてあなたさんは実際“落とした色鉛筆を自分で拾えない状況”にあったんじゃないか?例えばベッドの上で拘束されていた…とか
「あなたの足は細くて冷たかった。

付き合い始めたころより

だいぶ痩せたね。         」
ディオ・ブランドー
足が細くて冷たいと言う表現にも違和感があった。長いこと足を使わなかったせいで筋肉が落ちて血流が悪くなってたんじゃないのか?
「布団でちょっとおもらし。仕方ないよね。」
ディオ・ブランドー
そう考えると、「おもらしは仕方ない」と言う言葉も別の意味に見えてくるんだ
ジョジョはあなたさんを誘拐した。ジョジョは誘拐犯で、あなたさんは被害者。ジョジョの機嫌を損ねないよう、ジョジョが望むような恋人関係を演じていた。それを見たジョジョは…あなたさんが本当に自分を愛していると勘違いした、と言うことだ。



その勘違いはやがて、2人の生活をブログに綴るまでに発展する。あなたさんはこれをチャンスと捉えた。大方絵を描いて「これをブログに載せてよ」とでも頼んだんだろう。



あなたさんを信じ切っていたジョジョは言われるがままにその絵をブログにアップした。こうして、あなたさんは外の世界にメッセージを発信する手段を得た訳だ。



あなたさんは考えたはずだ。ジョジョにバレないように、どうやって絵の中に「私は監禁されている。助けてください」と言う情報を入れるか。



その時あなたさんが目を付けたのはカレンダーだった。カレンダーのマス目を使って文字を書き、ブログを読んだ人がそれに気付くことに賭けたのだ。
ディオ・ブランドー
…だが、この作戦には問題がある。文字を書くためには紙を目一杯塗りつぶさなくてはならないと言うことだ。しかし、そんな事をしたら当然ジョジョは疑う筈だ
ディオ・ブランドー
そこで、あなたさんは演技をしたと言う訳だ
ジョナサン・ジョースター
あなたが…演技…?
ディオ・ブランドー
そうだ。ジョジョが心の病だと思っていたあなたさんの行動の全ては、グチャグチャな絵を描いてもジョジョに怪しまれないようにするための演技だったんだ

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