第32話

終幕
8,184
2021/07/28 01:44

死柄木「クリアして帰ろう!」


後ろを勢いよく振り向くと、死柄木が緑谷達に向かって走ってきている。


切島「おい来てるやるっきゃねえって!!」


私が出ようと足を踏み出そうとした時、オールマイトが前に出て脳無の攻撃を真正面から拳でうけた。
オールマイトの圧に死柄木は後ろに跳ね除ける。


『(拳でうけるのかそれ…)』
死柄木「“ショック吸収”って…さっき自分で言ってたじゃんか」
オールマイト「そうだな!」


ドドド!!と凄まじい音を響かせながら、二人は殴り合いを続ける。
あれ…全部しっちゃかめっちゃかに殴り合いしてる訳じゃない…

全部に全力で撃ち込んでいる。


「真正面から殴り合い!?」
黒霧「(近付けん!!!)」
オールマイト「“無効”でなく“吸収”ならば!!
限度があるんじゃないか!?私対策!?
私の100%を耐えるなら!!さらに上からねじふせよう!!」
緑谷「(血を吐きながら…!!一発一発が全部!!100%以上の…!!)」
オールマイト「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!
敵よ、こんな言葉を知ってるか!!?


Plus ultra更に向こうへ!!」


オールマイトがトドメの一撃で脳無をぶっ飛ばし、脳無は天井を突き破り外に放り出された。


切島「……漫画かよ…
ショック吸収をないことにしちまった
…究極の脳筋だぜ」
爆豪「デタラメな力だ…再生もまにあわねえ程のラッシュってことか…」
オールマイト「やはり衰えた。全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに…
300発以上も撃ってしまった
(そして…時間切れだ)」
オールマイト「さてと敵、お互い早めに決着をつけたいね」
死柄木「チートが…!衰えた?嘘だろ…
完全に気圧されたよ、よくも俺の脳無を…
チートがぁ…!全っ然弱ってないじゃないか!!
…俺に嘘を教えたのか!?」
オールマイト「………どうした?来ないのかな!?
クリアとかなんとか言ってたが…出来るものならしてみろよ!!」
死柄木「うぅうぉおおぉおおぉおおぉお…!!」
轟「さすがだ…俺たちの出る幕じゃねえみたいだな…」
切島「緑谷!ここは退いた方がいいぜもう、却って人質とかにされたらやべェし…」
緑谷「(違う!あれは…虚勢だ…!!土埃にまぎれてるけど…変身する時の蒸気みたいなものが出てる!!
どうしたら………どうしたらこの状況を…!!)」
オールマイト「さぁどうした!?」


…?
あの黒霧とかいう…黒い奴から、あの黒い靄が出てる…?

あいつの身体が靄みたいだけど…違う!

あれは鬼の出す靄だ…!!どこにいる!?

見る限り鬼は出てきてない…!
急にキョロキョロと周りを探し出した私に驚いたのか、切島が私に話しかける。


切島「あなたの名字!?どうした!?」
『君ら今すぐここを離れて、鬼がいるかもしれない』
爆豪「鬼ィ?鬼なんてそんなもん居ねぇよ」
『アンタが見てないだけでしょ』


黒霧がオールマイトに向かって進んでいく…
オールマイトはもう動けないのか、立ったままだ。

その瞬間、誰よりも早く緑谷が黒霧とオールマイトの間に入った。


『!!!このっ…!!』
切島「な…緑谷!!?」


私はすぐに緑谷の元へ走る。

多分…黒霧から出てくる!


緑谷「オールマイトから離れろ!!!」
『っ、緑谷!!』
黒霧「二度目はありませんよ!!」


その時、ずるりと鬼の顔が出てくる。

緑谷は自分を食べようと大口を開けてくる予想外の相手に驚いたのか、拳が止まっている。


『だから、勝手な真似はするなって言ったのに…!!

─── 雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃』
鬼「グバァッ」




ゴトリ…鬼の首が緑谷の目の前に転がる

やっべ~~~~~~~!!


緑谷「っ…!!???」
『はァ…やったわ…』


切島「は、はァ!???」
爆豪「…おい…あなたの名字、何してる…」
『この話は後で!ほら、先生方来たよ』


半ば無理矢理に話題を変え、意識をそらす。
私は転がった鬼の頚を、思い切り黒霧に向かって蹴飛ばした。


黒霧「…アナタ、何者です?」
『何者…?ただの鬼殺隊、鳴柱だよ』
頚は黒霧に当たる前に灰になって、風に吹かれて行った。








「ごめんよ皆」
「遅くなったね」
「すぐ動ける者をかき集めて来た」
飯田「1-A クラス委員長 飯田天哉!!
ただいま戻りました!!!」




死柄木「あーあ、来ちゃったな…ゲームオーバー
帰って出直すか黒霧…

グッ!!!」
スナイプ「この距離で捕獲可能な“個性”は______…」
死柄木「(!?引っ張られる…!!)
これは…!!」
13号「僕だ…!!!」


黒霧諸共、13号のブラックホールに吸い込まれていく。


死柄木「今回は失敗だったけど……
今度は殺すぞ 平和の象徴 オールマイト」









───── こうしてUSJ襲撃事件は幕を閉じたのである

プリ小説オーディオドラマ