第13話

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2021/01/12 15:12
── 春
ふわりと暖かい風が私の黒髪を持ち上げる。
新しい制服に身を包み、屋敷を出た。
これから向かう場所は、雄英高校1年A組だ。
『行ってきます』
ジュン「行ってらっしゃいあなた!!頑張れヨ!!」
ジュンからの応援を貰って、私は足を進めた。



デカい扉の前に来て、立ち止まる。
『(悲鳴嶼さん使用じゃんこれ…)』
いちいち校舎も何も全部デカい。
扉を開けると教室にはチラホラ人がいた。
「あ"??!」
こちらを指差して、誰かが立ち上がった。
『何ですか?人を指さすのはやめて___あ』
爆発くん…じゃなくて、爆豪勝己くん。
『お久しぶりですね、十ヶ月ぶりでしょうか』
爆豪「お前…雄英だったんか」
『まあ…そうですね』
すると、善逸みたいな金髪の人が席を立ち上がって私達を指さした。
『礼儀がなってないですね、次はなんですか?』
「あ、お前ら二人って…ヘドロ事件の!被害者の奴と…それでヒーローに暴言吐いたって言う…!」
爆豪「アァン?!馬鹿にしてんのかテメェ!」
『…暴言は吐いていません。事実を言ったまでです。…それでも何か?』
私がニコリと笑えば、金髪君は黙って席に座った。
「あ、君は…!」
『…今度は何ですか』
眼鏡をした子が私を見ている。
『あ、入試の時の眼鏡君…』
ガラガラッと扉が開いて、緑くんが入って来た。
飯田「ぼっ…俺は私立聡明中学出身 飯田天哉だ」
爆豪「聡明~~~~!?クソエリートじゃねえかブッ殺し甲斐がありそうだな」
『……私は あなたの名字あなたです』
飯田くんは緑くんに挨拶しに行ってたけど、名前を聞いてたらしい。
「あ!!君は、あの時の…!」
緑くんは私の方を見て驚いていた。
『こんにちは(大分筋肉が前よりついてるな…)』
「ぼ、僕は緑谷出久って言います!あの時は、本当に有難うございました…!!」
『!私は何もしてないですよ、緑谷君が行動を起こしたんです』
緑谷「いや…!」
爆豪「デク…!」
すると今度は茶髪の女の子が入って来た。
「あ!そのモサモサ頭は!」
『…』
緑谷君は茶髪の女の子と話し始めたので、私は席に着くことにした。
大藤、だから意外と後ろの方だったようだ。
黒髪の男の子と…鴉っぽい男の子の間だ。
席に座ると、何処からか視線を感じた気がした。
『…(見られてるな)』
左側から見られてる気がするような…
まあいいか、そう気にせずいると相澤先生の声が聞こえた。
相澤「お友達ごっこしたいなら他所へ行け」
緑谷くんと茶髪ちゃんが振り返って下を見る。
『…(下?)』
相澤「ここは…ヒーロー科だぞ」
「(なんか!!!いるぅぅ!!!)」
相澤先生は寝袋から身体を出して、皆の前に立った。
相澤「ハイ、静かになるまで8秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね」
緑谷「てことはでこの人もプロのヒーロー…?」
相澤「担任の相澤消太だ よろしくね」
『(よろしくね…)』
すると相澤先生は、寝袋を何やら漁り出した。
相澤「早速だが 体操服    コレ 着てグラウンドに出ろ」  
…ヒーローになるための雄英、入学式なんてやらないってか。
体操服って事は、個性の把握…すなわち体力テストでもやるのかな。(ご名答)
私はすぐ着替えてグラウンドに出た。
相澤「あなたの名字さんが一番か…」
『先生、敬称は付けなくて大丈夫です。今は任務であろうと教師と生徒ですし。』
相澤「そうか。…じゃあ普通に呼ばせてもらう」
『はい』

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