第14話

体力テスト
13,847
2021/01/12 15:13
ゾロゾロとクラスの人が全員集まった所で先生が説明をした。
「個性把握…テストォ!?」
お茶子「入学式は!?ガイダンスは!?」
茶髪の女の子…ああ、麗日さんが驚いた様な声を出す。
名前?


相澤先生にクラス全員教えてもらったよ、皆が来る前にね。
相澤「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ」
お茶子「……!?」
相澤「雄英は“自由”な校風が売り文句。そしてそれは“先生側”もまた然り」
「………?」
クラスの人達は分かってないようだ。
相澤「ソフトボール投げ・立ち幅跳び・50m走・持久走・握力・反復横跳び・上体起こし・長座体前屈…中学の頃からやってるだろ?“個性”禁止の体力テスト。国は未だ画一的な記録を取って平均を作り続けてる。合理的じゃない。まぁ文部科学省の怠慢だよ」
相澤「爆豪。中学の時ソフトボール投げ何mだった」
 爆豪「67m」
相澤「じゃあ“個性”を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいい早よ」
先生は円の中に入った爆豪くんにボールを投げて渡す。
相澤「思いっ切りな」
爆豪くんは少し肩のストレッチをした。
爆豪「んじゃまあ 死ねえ!!!」
爆発…爆風にのせてボールを飛ばした。
『…(言葉遣いが悪いな…)』
「……(死ね?)」
ボールは転がり、ピピッと電子音が鳴った。
相澤「まず自分の[最大限]を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段」
先生は705.2mの記録を示した機械を皆に見せ付けた。
「なんだこれ!!すげー!」
「705mってマジかよ」
「個性思いっきり使えるんだ!!さすがヒーロー科!!」
『…(一人阿呆な奴が居るな)』
相澤「……………面白そう…か」
相澤「ヒーローになる為の三年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」
「!?」
相澤「よし、トータル成績最下位の者は見込み無しと判断し除籍処分としよう」
「はあああ!?」
クラス全体が驚きの声を上げる。
恨むなら面白そう発言をした奴を恨むんだな。
相澤「生徒の如何は  先生おれたち の“自由”。ようこそこれが 雄英高校ヒーロー科だ」
お茶子「最下位除籍って…!入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても…理不尽すぎる!!」
『…甘い。甘すぎる。この世の中理不尽に塗れてるのに…そんな事言っていたら直ぐに死にますよ?』
お茶子「~~~~!」
相澤「…まあ、そうだな。自然災害…大事故…身勝手な敵たち…いつどこから来るかわからない厄災。日本は理不尽に塗れてる。そういう理不尽ピンチを覆していくのがヒーロー」
相澤「放課後マックで談笑したかったのならお生憎。これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。“Plus ultra”さ。全力で乗り越えて来い」
飯田「(洗礼と言うには重すぎる…これが最高峰…やるしかない!)」
爆豪「(もっと行けんな)」
相澤「さてデモンストレーションは終わり。こっからが本番だ」


【第1種目 : 50m走】
※めんどくさいからあなたの所だけ※
『…あ、八百万さんですよね?』
順番待ちしていた八百万さんに声をかける。
八百万「は、はい…何か御用でしょうか?」
『申し訳ないのですが、木刀の様な物を創り出して頂けないでしょうか』
八百万「良いですわよ!」
そう言うと八百万さんは快く出してくれた。
『有難うございます!助かりました』
にぎにぎと木刀を握る。
うん、上出来、誰かに使う訳でもないし。
「何でアイツ木刀なんか持ってんだ?」
「ヨーイ…」
私は位置について構えをとった。
「なんだ?!」
『 全集中 雷の呼吸 壱の型 … 』
「START!」
隣が走り出した。
『 霹靂一閃 』
ドッ…と私はゴール地点に立つ。
ピピッ 「0.44!!」
『改善の余地あり、か…』
「アイツ速くね!?どんな“個性”だよ!?」
隣の人達も着々とゴールした。
『……ふぅ』
次は…握力テストか。
私は木刀を抱えながら測定の場所に行った。

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