第7話

ご対面
15,483
2021/01/12 15:03
『御館様、足元に段差があるのでお気を付けてください』
車(リムジンだよ凄い)から降りる御館様に手を出す。
産屋敷「ふふ、あなた。私は今世では健康なのだからそういうのはやらなくていいんだよ」
『いえ、そういう訳にはいきません。私がしたい事ですので。』
御館様と2人並んで雄英高校の校門に立つ。
そこそこな大きさだ。


ま、御館様のお屋敷の方が大きいけどね。
産屋敷「さ、行こうあなた」
『御意』
御館様が共に私は雄英高校に足を踏み入れた。


根津「やあ産屋敷くん!久しぶりだね!」
 『敬語を使って頂けませんか?貴方が気安く呼んでいい名では無いのです。』
するとスッ…と私の前に手が伸びてきた。
産屋敷「いいんだよあなた。久しぶりだね根津くん」
 相澤「…(凄い忠誠心だ…)」
根津「…そこの君は今度から新入するあなたの名字あなたさんだよね?」
『まあ、ではそうですね』
いつもの営業スマイルを浮かべる。
産屋敷「話は分かっているね?あなたは雄英の護衛で来たんだ。少しくらいの我儘は許して欲しいね」
根津「勿論さ!早退・欠席は鬼殺隊での任務なら自由にしていいよ!ある程度授業も受けてもらうけど…」
『大丈夫です』
産屋敷「分かったよ。じゃあ前に話した通りに生徒達には、鬼殺を見られてしまったらその時に説明するということで良いよね?」
根津「大丈夫だよ!僕達は説明出来ないし、あなたの名字さんに任せるしか出来ないしね!」
『…お任せ下さい。』
相澤「…あなたの名字さんは入試に出るんですか」
『出ます。私だけ入試無し、といえのも癪に障りますから。』
相澤「…そうですか」
根津「悪いけどあなたの名字さん、一旦席を外してくれるかな?」
『…』
産屋敷「…あなた、私は大丈夫だよ。お願いできるかな?」
『御意』
私は御館様に一礼して部屋を出た。

(相澤side)
雄英高校に、鬼殺隊が護衛に来てくれると根津校長に聞いた。
鬼殺隊の説明は既に聞いてある。
どんな奴が来るのか気になった。
今回来るのは、無個性で鳴柱?のあなたの名字あなた。
何にしろ、そいつはヒーローが大嫌いだと言う情報を聞いた時はオールマイトも含め職員室全体が凍った。
ヒーローが大嫌い?
なのに雄英に…?


護衛だとしても他の奴も居るんじゃ…
俺と根津校長は校長室だ鬼殺隊の人を待つことになった。
約束通りの時間にコンコンコンとノックが鳴る。
根津校長が挨拶をするとあなたの名字あなたは、根津校長が産屋敷さんに敬語を使わなかったから、という理由で苛立っていた。
『敬語を使って頂けませんか?貴方が気安く呼んでいい名では無いのです。』
それを産屋敷さんが宥める。
産屋敷さんに忠誠な様だな…
それから話は進んでいった。
まあ、あなたの名字あなたはずっと貼り付けた笑みを浮かべてたけどな。
そんな彼女を校長室から一旦出して、俺らは聞きたかった質問を聞く。
相澤「根津校長…」
根津「ああ、分かってるさ!…産屋敷くん、一つ聞いてもいいかな?」
産屋敷さんはニコリと優しい笑みを浮かべた。
産屋敷「いいけど…それは あなたがどうしてヒーローを嫌うのか、聞きたいんだろう?」
図星過ぎて、ギクリとした。
根津「そうだね!雄英の教師は殆どが現ヒーローだし、聞いておきたいと思って!」
産屋敷「そうかい。あなたには既に許可を貰っているし、単刀直入に言おう。」
その落ち着く声音で放たれた言葉は、俺たちヒーローにとって信じられない衝撃の爆弾だった。


「あなたは、幼い頃にヒーローに両親を殺されているんだよ。」

言葉が出なかった。
相澤「…ヒーロー、が…?」
産屋敷「そうだよ。ヒーローが発砲した銃弾が、あなたの両親に当たったんだ。」
根津「その、ヒーローは今…」
産屋敷「……さあね?」
含みのある言い方だ。
相澤「…それは何年前、ですか」
産屋敷「そうだね…あなたは今15だ。2月生まれだからね。だから、10年前…くらいかな?」
10年前…?
…そういえば、ニュースで聞いた事がある気がする。
確か…敵を追いかけて民家に入ったヒーローが消息不明だ、と。
相澤「…殺したんですか?」
産屋敷「……さあ、どうだろうね。」
さっきの笑みを崩さないまま答える。
…何か、隠してるな。
ただの俺の勘に過ぎないが、そういう可能性もなくはない。
あなたの名字あなたが、どういう人物なのか______。
俺には、まだまだ未知数だった。
産屋敷「おっと、もうこんな時間だ。私は他の仕事があるから、ここで帰らせてもらうよ。あなたも、おいで」
『御意』
またノックが3回なって、大藤が入って来た。
産屋敷「そろそろ帰ろうか。あなた」
『はい。ありがとうございました』
産屋敷「…では、これからもよろしくね。」
根津「あ、ああ…!こちらこそ」
相澤「…」(ペコリ
こうしてあなたの名字あなた__…とのご対面は幕を閉じた。
バタンと静かに扉が閉まった途端、俺は気が抜けて椅子に座りこんだ。
相澤「……疲れた…」
根津「…圧迫感、というか…ベテランの雰囲気、と言うべきか…
なんにしろ、No.1ヒーローのオールマイトよりも圧がある、ということだね」
相澤「…あれがずっと教室にいるのか…」
すると、ガチャリと扉が開いて他の教師陣が入って来た。
ミッドナイト「…どうだった?その産屋敷さんとそのウワサのあなたの名字あなたちゃん」
相澤「…圧が、というか凄く疲れた」
マイク「Hey?!ヒーローが15の女に?!」
13号「あの子…笑っていたけど笑っていませんでしたしね」
オールマイト「そんなに凄かったのか!鬼殺隊は!」
根津「うん…少なくともオールマイトより圧があったかな」
オールマイト「oh…!?」
ミッドナイト「今年は大変になりそうね…」
相澤「だが…俺のやる事は変わらない」
マイク「落ち込んでるってか?!」
相澤「マイクうるさいぞ」

(相澤 sideend)
🐔
教師陣の口調掴めない!ムズい!

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