第28話

オールマイト
9,140
2021/08/07 11:52

その広場では、デカい敵に顔を潰されそうになっている相澤先生が見えた。


…この距離で相澤先生の所へ間に合う型は、一つしかない。
『そこの3人、目でも瞑っときな』
蛙水「ケロ?」
『まあ、どっちでもいいけど…多分眩しいよ。
雷の呼吸 壱の型 霹靂一閃』
ドッと足が地面に着いていた場所が抉れる。
死柄木「対 平和の象徴 怪人  “脳無”─────!?」
脳無の下にいたはずの相澤はいつの間にかいなくなり、代わりに地面にはボトボトと黒い腕が落ちていた。
死柄木「はァ……?」
『大丈夫ですか?』
相澤「すまん…………あなたの名字…」
死柄木「ああああ…なんでこんな邪魔してくるんだ…」
その時、死柄木の横に現れる黒い霧。
私が見えるものとは全くの別物だ。
『(確かあれは…散らしてきたやつか)』
黒霧「死柄木弔」
死柄木「黒霧……13号はやったのか」
初めは実体がなかったが、だんだん目やら身体やらが出てきている。
私たちには気にもとめずに2人で話している様だ。
『(相澤先生をどこに避難させようか…)』
死柄木「ゲームオーバーだ……」
『…(??こんな事例は以前はなかったはず…まさか、次もあるのか?)』
そう言うと死柄木という男は「帰ろっか」とアッサリした様子で立ち上がる。
そう言って向かった先には──────……
『!!(緑谷達の方向!!)』
『相澤先生、そこにいてくださいね』
相澤先生の肘を崩したのを見ると、多分触れたものを崩す個性だ。
そうなると、蛙水の顔は…!!
私が相澤先生を離れた場所に座らせて、走り出した瞬間


死柄木「へし折って帰ろう!」
死柄木の手が蛙水の顔に触れた。
『~~~~蛙水ッ!!(間に合わなかった…!!!)』
しかし、その顔が崩れていくことはなかった。
死柄木「本当かっこいいぜ、イレイザーヘッド」
『!!』
相澤先生が個性を使ったのか…!?
『(安心してる場合か!!次の行動に出ろ!!)』
緑谷「手っ…放せぇ!!」
死柄木「脳無」
『緑谷!!』
辺りを煙が立ち込めている。
『(待て、そいつは死柄木じゃなくて──…!!)』
緑谷が拳を沈めたのはヒョロヒョロで1発殴っただけで吹き飛んでいきそうな死柄木ではなく、
私たちの何倍も大きな脳無だった。
まずい、コイツのパワーはオールマイト…いや、悲鳴嶼さんよりも強いかもしれない。
そんなのに緑谷が攻撃されたら…!
死柄木「いい動きをするなあ…スマッシュって…
オールマイトのフォロワーかい?
まぁ、いいや君」
その脳無は緑谷の腕を掴んだ、その瞬間、
その場にいた生徒が安心した顔で笑っていた。
『(…来ただけで人を笑顔に変えんのかよ…)』


オールマイト「もう大丈夫!私が来た」

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