第3話

第二話 ベルリンの壁崩壊
101
2022/06/03 09:51








Путь, по которому я должен идти, был решен

「私の進むべき道は決まった」










Пытаюсь быть шпионом.

「スパイになろうと」











──────────────────────────────────────────────────



ソ連の権力を陰で支えてきた、世界最大の諜報機関、「KGB」。

───プーチンは大学を卒業後、憧れのKGB入局を果たし、その理念を叩き込まれた。







KGB議長 アンドロポフの言葉





Все сотрудники КГБ должны посвятить себя и свое сердце партии

  「全てのKGB職員は、身も心も党に尽くすべきである。」


“ Я хочу, чтобы вы были готовы отдать свою жизнь в случае необходимости”

   「必要とあらば、命を捧げる覚悟でいて欲しい。」





──────────────────────────────────────────────────







 プーチンは1985年(昭和60年)
東ドイツドレスデンに諜報員として出動すると、

そこで、人生を変える出来事が待っていた。














                   ベルリンの壁崩壊である。















市民は、これまでの弾圧に抗議し、東ドイツの秘密警察「シュタージ」を占拠した。
・秘密警察とは、政治的に邪魔なものを検挙していく、いわば政党を守るための暴力的手段の一つである。
有名なものはナチスドイツのゲシュタポ、ソビエト連邦のGPU、アルバニアのシグリミなど…

──────────────────────────────────────────────────





 散々陥れられた人民は、歯止めなどかかる筈も無い。
躊躇ちゅうちょなど一切せず諜報室のドアを蹴破った。


そこにあったのは、壁一面に貼られた名簿と、あらゆる無数のボタンやスピーカー、盗聴用マイク、ブラックリスト、メモを残して去った秘密警察の残骸だった。




無数の市民が入り込み 目の及ぶ限りを探索する。





 息の詰まりそうな室内、一際大きい声で叫んだ。
ピーピーピーピーと小さな警報音らしき音が流れる中、
その音を出しているであろう 大きな諜報機器らしきものを指差して言う。




"Ich habe damit geklopft!"

「これで盗聴してたんだよ!」



怒りの篭った、我慢の限界を超えた彼らは次々にメモや表などを解明していく。

書き込まれた名簿を指し示す。
そこに記入されていたのは「要注意人物」、反政府的な人間を裏付けるためのメモ、黒い帳簿だ。


表が示すものを叩きつける。






“ Datum, Uhrzeit, Name, Inhalt!” Überwachung Überwachung! Überwachung! Überwachung!!!!”
「日付  時間  名前  内容  監視  監視  監視  監視!!」




““Wir, das Volk, sind die Souveräne!””

「「「我々人民こそが主権者だ!」」」



これまで抑えつけられてきた、数多の悲痛な声が重なる。
それはいつしか、20世紀の社会主義に終止符を打つ、世界的なものとなっていった。





人々の怒りは収まらず、KGBの支部にまでその火は及んだ。




建物の中には、機密書類を必死に焼却する1人のスパイがいた。プーチンである。






─────プーチンの言葉────────────────────────────────────────


“ Трудно было предсказать,
 что такие резкие перемены начнутся в Восточной Германии”

「東ドイツにおいて このような急激な変化が始まると予想する事は難しかった」

“Я позвонил в дислоцированные войска Советского Союза и потребовал, чтобы они были отправлены.”

「私は、駐留しているソビエト連邦の軍隊に電話をかけ、出動を要請した」


“Они прибыли через несколько часов”

「彼らがやって来たのは 数時間後だった」





“Я чувствовал, что Советский Союз вот-вот рухнет.”

「私は、ソ連も長くないと感じた」








“Суждено рухнуть”

崩壊する運命にあると。












そのおよそ2年後
スターリンが築き上げた、ソビエト連邦は崩壊した。






1991年、12月25日のことである。

プリ小説オーディオドラマ