その冷ややかな目に見られるとやっぱり何も言えなくなって、黙って俯く。
絞り出した言葉をユンギくんに投げかけた。
でもその時にはもう突っ伏してしまっていて、
私と全力で関わりたくないようにも見える。
そんな態度に小さくため息をついても、私はまだユンギくんが気になってしまって仕方が無くて。
何にこんなに惹かれるのかよくわからない。
ただ他の人とは違う何かがあるような気がする。
惹かれる理由が漠然としすぎて、ただ興味本位と言ってしまえばそれまでだけど...
怖いほど落ち着いていて、
どこにも属そうとしなくて。
来るもの拒んで去るもの追わず、そんな感じ。
魔性 という言葉が合うかもしれない。
そんなことをユンギくんの横顔を盗み見て思った。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。