第13話

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2019/01/01 13:22
あなた

うーん...。

シャバの空気ってのは、これの事なのかしら...?

新鮮なものね。



いつの間にか、屋上に来ていた。


そこから脱出できることはなく、高くそびえ立つ壁が。


壁を指でなぞる。


あなた

誰かが助けにってことはあるわけないわよね。



独り言に、苦笑し。


はぁー、と大きく溜息をつく。


謎の部屋に、この屋上。


考えれば考えるほど、訳が分からなくなっていく一方で、自分はここでついに死んでしまうのでは?と謎の考えも浮かんでくる。


まぁ、死ねないだろうけど。


1人、勝手に解決した。


あなた

...。

懐かしい、のかしらね。

よく分からないのだからどうしようもないわね...。



自分の写った写真をポッケから乱暴に取り出すと、何か書いてあるのではないかと探してみる。


何も、なかったが。


あなた

...そろそろ違うところに向かいますか。



来た階段を戻ろうとすると、
あっ。

あなた、なにしとるん?


聞き覚えのある声が、聞こえてきた。


あなた

う、ぇ?

...どちら様で?



振り返ってみると、そこには、


____トントンがいた。
あなた

なんで、ここに...?

トントン
さぁ、なんでやろな。


彼は、静かに笑った。

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