もう90年ほど前の話だ。
その頃はまだ、あなたは食人鬼ではなかった。
彼女が食人鬼になったのはこの後。
幹部全員がいなくなった後、あなたはどうしていいのか分からなくなった。
今まで、国のために動いてきたのに、突如、1人になったのだ。
あなたは魂が抜けたようにその場から動かなくなった。
そんな状態が何日も続き、腹が減ってきた頃。
目の前に、人の死体があった。
食いもんが何も無いため、あなたは死体に食いついた。
人肉は酸っぱくてまずいと聞くが、あなたは違った。
今まで食べてきた肉の中でいちばんうまいと感じたのだ。
そこから、あなたは人肉を食べるようになり、食人鬼と言われるようになったのだ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。