春爛漫。
新品の制服、周りは笑い声に包まれ木の上では小鳥がさえずる。ワクワクドキドキの入学式!
のはずが、…。
私は今、別の意味でハラハラドキドキしております。
どうしよう、…。
典型的なモブに絡まれた、…。
はぁ、…。
うざい。本当にどうしよう、…。
はぁ、…。
あっ、声にでてた、!?
今さら気づいたってもう遅い。
逆上した相手が拳をふりあげる。
っ!
殴られるっ!
そう思い無意識に目を瞑り両腕で顔をかばう。が、…
殴られた感覚も痛みも全くない?
不思議に思って恐る恐る目をあけてみる。
この人がさっきの人を止めてくれたんだ、…。
そう言うと恩人さん(名前がわからないのでとりあえず恩人さんということにしておこう。)は、典型的なモブ達のほうに向き直った。
す、すごい。
一気に3人も倒してしまった。
あ、噛んだ。
だって恩人さんがあまりにもかっこよく笑うから。
声のした方を見ると3人の男の人がいた。
知り合い?ってことは恩人さんの名前は、しまさんって言うのかな?
しまさんもイケメンなだけあって3人のお友だちさんもイケメンだなー。
やっぱりイケメンの周りにはイケメンがあつまるんだねー。うんうん。
……………。
とかのんきに考えてる場合じゃない!!!
このままだと私も遅刻だよ!!!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!