第10話

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2019/03/11 09:27
 目を覚ますと、白い天井が目に入った。煌々と蛍光灯が光る。どこだろ、ここ。なにか大事な話をしてたみたいなのに。なんでこんなとこに。起き上がろうとすると、焦りを含んだ声で名前を呼ばれた。

『○○さん!!よかった、目ぇ覚めた…』

スニョンさんが私を覗き込む。わたし、なんでここに居るんだろう?

「スニョンさん、ここは?」

『病院。昨日、倒れたんだよ。いきなりでほんとにびっくりした。具合はどう?』

「あ…もう平気です。ありがとうございます。ご迷惑おかけしました。考えて飲んでたんですけど…飲み過ぎましたかね。」

『お酒だけじゃないって。貧血も起こってたみたい。だから無理はしないでって言ったのに。』

「そう言えば、頭、痛かったような、」

『ほらー!!言わんこっちゃない!!』

「だってあの日は、気づかないくらいドキドキしてたから!」

口を抑えても、もう遅い。面を食らった彼の顔がそれを物語る。不思議な空気が流れ、彼が口を開いた。

『昨日、言ったこと覚えてる?倒れる直前、君にだいじーな話をしたんだけど』

「…すみません、覚えてないです。」

『じゃあ、もっかい言うね。』

お互いの目に紐が通ったように見つめ合う。この感じは覚えてる、気がした。

『○○さん、これから言うことは嘘じゃないし、からかってもないからそのつもりで聞いて?初めて君に出会った時、王女様が来たと思ったんだ…』

「あっ、それは聞いた気がします。」

『…そこは黙って聞くとこでしょ。やめた、単刀直入に言う。』

私の手を握った彼の手は少し震えていた。

『結婚してください、僕と。死ぬまで君のそばで、君を幸せにさせてくれませんか。』



悩む必要なんてない



「はい。こちらこそあなたを幸せにさせてください」

頼もしいねと笑って、キスをする。

『…左手、見てみて?』

バタバタで気づかなかった、私の薬指にはシルバーの指輪が光っている。

『渡そうと思って、ずっと前に買ってあったんだけど、ぴったりだね。』

「はい、ありがとうございます。大事にします。」

『固いなー。敬語はやめて、夫婦なんだから』

「…はい、ありがとう。スニョンさん」

『ん。好きだよ、○○』



婚約のことは頼み込んで破棄してもらったそうだ。そこに私の名前は出てなかった。優しいよな、ほんとに。マリさんには2人でお礼を言いに行った。呆れ半分、祝福半分の言葉をくれた。

結婚なんでまだ先だと思ってたのに、人生何があるか分からないな。

だけど、彼の存在は私にとって一番

忘れられない贈り物

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