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第1話

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2020/02/19 10:24
朝起きると、家には誰もいなかった。

カレンダーを見ると今日は土曜日だった。

土曜日…。

いつもなら起きると一兄と二郎から、おはよう、といわれ、机の上には温かい朝ごはんがのっている、はずなのだが。

ふと机を見ると、紙が置いてある。

どうやら一兄からの置き手紙のようだった。

『三郎へ
おはよう。朝起きた時誰もいなくてごめんな。
今日急用ができて早朝から家を出なくちゃならなかったんだ。二郎も昼には学校から帰ってくると思うから、それまで留守番よろしくな。』

「一兄……」

急用か。

一兄は最近急に仕事が入ることが多い気がする。

ラジオで萬屋ヤマダのCMを流してもらっている効果だろうか。

まあ、一兄がいないのは寂しいが、二郎はいようがいまいがどうでもいい…いや、むしろいないほうがいいな。

僕はキッチンに向かうと冷蔵庫を開ける。

冷凍庫の中に冷凍パスタが入っていた。

朝ご飯と言うよりは昼ご飯だがまあいいか。

僕はレンジでパスタを5分ほど温めるとそれを皿に移した。

冷凍食品にしては美味しそうだ。

ハマナカ食品…あまり食べたことがなかったが意外といい食品を作っている会社かもしれない。

株の購入を検討してみるかな。

そんなことを考えながら椅子に座り、パスタを食べ始める。

テレビをつけると恋愛ドラマの再放送がやっていた。

「私、好きなの」

「…なにがだよ。」

「………じろうのことがっ」

僕はそれを聞いて食べていたパスタを吹き出しそうになった。

ドラマの主人公の名前がじろうとは、なかなか珍しいな。

どんな漢字を書くのだろうか。

まさか二郎だったりして…。

僕はそこまで考えてから、二郎もいつか彼女を連れてきたりするのだろうかと思った。

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