第8話

8 最終話
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2020/02/23 13:14
「ありがとう」

「……え?」

「だから……ありがとう。
 僕のそばに、ずっといてくれて…。
 小さい時のことだけど……ちゃんと覚えてるし……、
 少しは、感謝も……してる…」

「三郎……、
 お前、そんなこと…」

「ああぁぁぁ!
 今の気にするな!
 間違えた!」

「…あははははっ、ありがとな。
 でも俺は別に、感謝されることはしてねぇよ…
 三郎のことが心配で、ずっとそばにいただけだか…」

「だから僕は感謝なんかしてない!
 嘘だから!
 忘れろ!」

「嘘ってなあ…。
 夢野幻太郎みたいなこと言うなよ。
 …でも、俺は嘘でもぜってー忘れねぇからな?」

「…!
 ほんとに、、やめろって…」

「また照れてんのか?
 お前、ほんとかわいいなぁー」

「照れてない!
 っていうかここ僕の部屋だから!
 出てけ!
 早く!」

「あーはいはい。
 ったく、心配して来てやったのに…。
 出てく出てく」

そのとき二郎の携帯から着信音が鳴った。

「ん…?
 あ、にいちゃんから、今日は帰るのが遅くなるから夕飯先に食べとけだって。」

「ええ!?
 ってことは…、僕は二郎が作ったご飯を食べなければいけないのか…、はぁ」

「おいさぶろぉ、俺も一応調理実習やってるからな。
 腕には自信があるんだよ」

「調理実習はみんなやってるだろ…」

「なんか食べたいもんあるか?
 なんでも作ってやんよ」

「…ええ、お前が作ったものなんかなにも食べたくないけど…
 まあ強いていうなら、…カレー」

「おっし、わかった。
 食料買ってくるから待っとけ!
 ……あ、それとも…久しぶりに、一緒に買い物行くか?」

「………うん、二郎みたいな馬鹿じゃ、何買ってくるかわかんないからな。
 しょうがないからついていってあげるよ」

「素直じゃないなぁ、さぶろーは。
 …よし、じゃあ着替えたら部屋から出てこいよ」

「わかってる。
 うるさい。
 早く出てけ。」

「はいはい」

二郎が出ていき、ドアが閉まる。


あぁ、2人で夕食を食べなきゃいけないなんて最悪だ。

それに、買い出しも面倒だ。

……でも、久しぶりに一緒に行く買い物。

少しだけ、楽しみだったりするんだよな。


____________End____________

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