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2021/07/17

第13話

またね(最終回)
体に付いた血を拭き、黒の制服に着替える
私から血の匂いが漂う
あなた

「以外と残るもんなんだね。これ」

カゲ
「そりゃあんなに派手にしたら、これ位は残るよ」
あなた

「そう」

そんな雑談をしながら玄関に向かう
カゲ
「何処に行くの?」
あなた

「さぁ?知らないわ」

そう言い外をふらふらと歩き回る
やがて辿り着いたのは、あの廃ビルだった
あなた

「此処、取り壊されるんですって」

カゲ
「…もう来れなくなっちゃうね」
あなた

「別に良いのよ」

あなた

「だって、もう何処にも行く必要なんて無いから」

もう何処にも行かなくていい。
やっと、終わるから
廃ビルの階段を登り、屋上まで来た
あなた

「星が綺麗だね」

カゲ
「………」
あなた

「何か言ってくれてもいいじゃない
もう…最後なんだから」

カゲ
「…………」
あなた

「…なんかあの時から変わったよね
あんた」

あなた

「雰囲気が違うっていうか
なんか分かんないけどさ」

あなた

「最初の時と違う感じ」

カゲ
「…そうかもね」
あなた

「まぁ別にもうどうでもいいか」

カゲ
「勿体ないね
せっかく開放されたのに」
カゲ
「やっと自分を救えたのに」
あなた

「もう生きてても何も残らないから
未練も、私の幸せも」

あなた

「どうせ捕まっておしまいなだけ」

カゲ
「なら、他の方法を考えればいいじゃないか」
あなた

「無理だよ…」

あなた

「私バカだからさ、こんな方法しかできなかったんだよ」

あなた

「私を……幽鬼千華を救えなかったんだ」

カゲ
「…そっか」
あなた

「…どんな気持ちで私にこんな名前付けたんだろうね」

あなた

「千に華と書いて千華(チカ)か…」

ずっと私は「千華」が嫌いだった
父と母がつけた名前が

だから私は私を「チカ」と呼んでいた


変わらないじゃないかって?



…変わるよ
少しでも自分が千華と違う者だと思えるならそれで良かった


でも
あなた

「ちょっとだけ千華が好きになれたかな」

カゲ
「…なら」
あなた

「そろそろ終わろうか」

カゲの言葉を遮る様に言う
あなた

「最後に聞いてもいいかな?」

カゲ
「…何?」
あなた

「どうしてそこまで私を引留めるの?」

カゲ
「君には死んで欲しくないからだよ」
あなた

「何故?」

カゲ
「君が大切だからだよ」
あなた

「私と会って数ヶ月しか経ってないのに、私が大切なんだ?」

カゲ
「……」
あなた

「他に理由があるんじゃないの?」

カゲ
「………」
あなた

「言うつもりは無いみたいね」

あなた

「まぁいいや」

あなた

「立ち話し過ぎちゃったね」

カゲ
「……」
あなた

「これで良かったんだよね」

カゲ
「本当に終わっちゃうんだね」
あなた

「うん…」

あなた

「それじゃあねカゲさん」

一歩前へ踏み出し、落ちる寸前に言う
あなた

「またね」

そして私の体は重力に従って落ちてゆく
ドゴンッ
鈍い音が響く

その音さえ、もう千華には届かない
カゲ
「またね…か」
カゲ
「そう…また、会えたらいいね」
そう言い放ちカゲと呼ばれた者は黒い影の中へと消えていった…