慣れない家事を毎日頑張ってやっていたてつやは段々と上達し、だいぶ料理以外はマシになってきていた
乾いた洗濯物を自分の分と、りょうの分で分けて畳んでいるてつや
後少しでおしまいだ、とりょうの服を手に取る
てつや「......」
てつやはそれをしばらく見つめていた
自分よりはるかに大きく、大好きな彼の匂いがほのかにしているこの服を気づけばてつやは着ていた
袖口を自分の鼻に持っていく
てつや『...ふふ、りょうの匂いする///』
顔を綻ばせ、残っていた洗濯物を畳終えたてつやは余った時間、りょうの服を着ながら、畳んでいたはずの彼の服をもう一枚取り、それを抱きしめた
てつや『りょうに抱きしめられてる感じがする///』
一度やったことは中々止められないてつや
頭では分かっている、けどもう少しだけこの行為を堪能していたかった
ゆっくりと目を閉じながら、てつやはしきりに大好きな彼の名前を呼んでいたのだった
りょう『俺の嫁が可愛すぎる...』
洗濯物を畳んでいたてつやの手伝いをしに来たりょうはてつやの一連の行動を全て見ていて、赤くなる顔を両手で覆いながらその場にしゃがみこむ
りょう『俺が見ていたって知ったらどうなるかな...?』
にやける顔をなんとか戻しながら、自分の服を着ているてつやを、りょうは見続けていた
それにてつやが気づくまでそう時間はかからない
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。