第1057話

第998話 独り立ちのときは寂しい
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2023/10/12 14:00
りょう「まだ起きてんのか?」
りょうや「うわっ、ビックリした...何さ父さんいきなり」
りょう「不良息子がいつまで経っても寝ないから叱りに来た」
りょうや「いや俺もう子供じゃねぇし不良じゃねぇし....」
りょう「俺から見ればずっと子供だよ」
りょうや「いっつもおんなじこと言うな父さん....」
どんだけ子供っぽいんだよ、父さんから見た俺は...
実際子供っぽいところはある、が...りょうが言っているのはりょうからしてみればりょうやは大切な子供...息子に変わりないという意味だけどりょうやには知る由もない
りょうや「母さんと寝てんのかと思った」
りょう「歳だから毎日は、ねぇ」
りょうや「そういう意味で言ったんじゃないから俺....」
りょう「お前もその内分かるよ」
りょうや「弄ってるでしょ!?」
深夜帯なので声も小さめ、寝ている母と妹は起こさないように気を付ける
一人でリビングにいたら父がそれに気が付いて注意しに来た....何かこう、勘が鋭いというか何というか
りょう「で?どうした?なりたい職業になれて日々切磋琢磨...頑張ってんだろ?辛いか?」
りょうや「......辛いけど、やりたい仕事だったから頑張れるよ...そうじゃなくて」
りょう「何?」
りょうや「............」
言わなきゃダメ?父さんは気づいていた
何で、悩んでるときすぐ分かるの?そばにいてくれるのか分からない
りょうや「........俺ももうさ、良い歳じゃん?」
りょう「20代後半だからな」
りょうや「仕事にもついて、辛かったり苦しかったりするときもあるけど....さっきも言った通りやりたいことだったから頑張れる」
りょう「うん.....」
りょうや「良い....大人じゃん?基本的なことは出来るじゃん?」
りょう「料理以外はな」
りょうや「料理はこの際諦めるよ...でさ、でさ......」
言葉が詰まりかける、けど話を聞いてくれている父親にきちんと自分が思っていることを伝える
りょうや「その内、この家出るよ...」
りょう「.......そうか」
りょうや「止めないの?怒らない?」
りょう「止めたり、怒ったりするもんか、...お前がそう決めたんだろ」
りょうや「......彼女と、一緒に住むかもしれないし」
りょう「同棲は大事だよ、星夏ちゃんと結婚するならね」
りょうや「結婚の話は良いんだよ今!!.....そうじゃなくてさぁ」
りょう「何?」
りょうや「......俺、家出るんだよ?」
りょう「............寂しくなるなやっぱ」
りょうやの声は弱々しい
りょうはそっかついに...と感慨深く感じていても、寂しさは覚えていた
りょうや「家に帰ることも少なくなるだろうし、星夏だって...両親とは離れたくないだろうから.....」
りょう「優しいなお前は...」
だから一緒に住むことになったら彼女の実家近くになるんだろう、りょうやはそういう子だ
優しい子なんだ、...てつやに似た、優しい...
りょうや「こんな歳になっても...父さんたちと離れて暮らすのが寂しいよ....俺大人なのにっ、....父さんの言う通り、子供だよ....っ、」
酒のせいもあってのことか....りょうやがついに細々な涙を溢している
りょうはそれを見て苦笑...、りょうやの頭を優しく撫でた
りょう「泣くなよ、大人なんだろ?」
りょうや「父さんが子供だって言ったじゃん.....」
りょう「.....一生会えない一生会えないわけじゃないんだから、...いつでも帰って来て良いよ、お前たちが帰ってくるのをてつやと二人で待ってるから...」
りょうや「.........うん」
りょうが言うとりょうやは安心したのか涙を強引に拭って、笑顔を見せた
りょうもその笑顔を見て、安心し、...同じように笑って見せた

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