第798話

第746話 情けない俺·子供な俺
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2023/01/26 11:53
ベッドに寝転がりながら天井を見つめるりょうや
りょうや『あー....情けねぇ、腕痛てぇ...口の中まだ鉄の味する』
昨日のことが鮮明に思い出せる
と言っても、だいたいはいずのあの悲しそうな表情と涙が映し出される
バカバカ、と震える声で言っていた
普段泣くところを見せないのに、涙まで流していた
あぁ情けない、妹にあんな姿を見せたのも...させてしまったもの
りょうや「.........はぁ、」
自分の不甲斐なさから出たため息
するとりょうやの部屋の扉が壊れんばかりにバンッ!!!と音を立てて開かれた
驚いてりょうやは身を起こす
目を見開いて、部屋の扉を見る
うん、やっぱり壊れてる....え?誰??どうやって開けたの?蹴った???
りょうや「.......父さん?」
りょう「...........」
扉を蹴破ったのは自分の父親だ、何故蹴破ってまで俺の部屋に入ってきたんだろうか
.......え?何??何かしたっけ俺??
今回ばかりは何も思い当たらないけど、と首を傾げるりょうや
そしてりょうはツカツカとりょうやの元に行くと、ベッドにいるりょうやを見下ろす
.......怖い、怖い怖い...なになになになに???
りょうや「あ、あの父さ」
ヌッと手が伸ばされる
そのままりょうやはグイッと父親に引き寄せられて、恥ずかしながら、顔を父の胸に埋める形になる
りょうや「は、!?父さん!?」
一体何!!??新手のドッキリ!?
状況の理解が追い付かないりょうや
りょうは口を開いた、とても優しい声で....言葉をかける
りょう「よく頑張ったな...」
りょうや「........は?」
最初は何のことだか分からなかった
りょう「痛かったろ?」
りょうや「え.........?」
どうしてそれを、あの事はいずに口止めをしたはずだ
絶対に言うな、お兄ちゃんとの約束だって....
りょうや「ちょっと父さん」
りょう「偉かったな、....よく頑張ったよ、いずを守ってくれて...ありがとな」
りょうや「ーっ..........そりゃ、お兄ちゃんだから、当然でしょ....」
当たり前じゃん、妹を守るのが兄貴の役目なんだもん
どんなことが合っても、いずだけを.....
りょう「頑張ったな....」
りょうや「止めてよ父さん....止めろって、」
あーあ、肩が震えてきちゃった
ポタポタ何でか雨が溢れてきたよ
ズルズル鼻水も啜った
りょうは優しくりょうやの頭を撫でる
りょう「でも、....黙ってるのはよくないなぁ...」
りょうや「......怒られたく、ないんだもん...心配、されだくないんだもん....」
りょう「そっか...りょうやらしいな」
俺の自慢で...、大切な息子だ...りょうは優しい声でそう言ってくれた
りょうやはキュッと唇を噛んで、グリグリとりょうの胸元に頭を押し付けた
ねぇ父さん、俺さ...もう成人してるし、大学生で手もかけたくないけどさ、
りょうやはりょうの背中に手を回して、ギュッとしがみついた
何度も迷惑かけてごめんねお父さん.....




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