りょうや「........寒い」
あぁ何故おつかいなんか引き受けたのだろう、たまたま一人でスタジオのソファでゴロゴロ寝転がってゲームをしていただけだからだ
こうなるなら車で来れば良かった、変なところでケチってしまった....チッ
りょうや「着込んでも着込んでも寒いから冬は嫌いだ」
夏は全部脱ぐことはしないが、脱げば脱ぐほど涼しく感じる....気がする、うん気休めに過ぎないからな
欲しいのがあれば自分で買いに行けば良いのにあの親父.....
パンパンになっている袋を提げながら、冷たい外気に身震い
ぶえっくしゅっ!!!と豪快なくしゃみを一つ、コートのポケットには両手を突っ込んで、マフラーに顔を埋め直した
りょうや「あー....早く冬終わらんかな...」
長い長い買い物の旅が終わり、両親たちのスタジオまでエレベーターを使って上がって行った
りょうや「帰ったら大学の課題、星夏とのテレビ電話...彰へのイタズラ電話」
最後の一つは完全な嫌がらせである...やらないよ？やらないからね？？
りょうや「たでぇま~~」
ガチャッとドアを開けてスタジオの中に入る
いず「お帰りお兄ちゃん....」
りょうや「おー....お出迎えなんて珍しい」
いず「お出迎えじゃないわよ...」
じゃあ何でいずは玄関に仁王立ちしてるんだ、とボーッと考えていたらいずは手を広げた
りょうや「....ん？」
いず「今の私...こたつで身がぬくぬくよ」
りょうや「.........では遠慮なく」
りょうやも手を広げていずにギュッと抱きついた
おお、確かに暖かい....こたつのお陰だ
いず「お兄ちゃん冷たいわね...」
りょうや「外寒いのに父さんがおつかい出したからな...薄情だ、いずは子供だから体温高いな.....」
いず「子供体温ではないけど....」
りょうや「いつか陽斗とハグ出来たら良いね~~~」
いず「うるさい」
りょうや「あでっ、蹴るなぁ!!!」
りょう「.........何してんの？」
てつや「仲良いね~~ホント」
虫眼鏡『君らもだいたい似たようなことしてるから遺伝だけどね....』
人で暖を取ろうとするところ、あの兄妹はよく普通にギュッとくっついたり抱きついたりして暖を取る、でもそれは両親のそんな姿を見てきたから真似してるのだ




いず「お兄ちゃんって寒いときとか星夏にも抱きつくの？」
りょうや「................ノーコメントで」
いず「........よく我慢出来るわね、色々と」
りょうや「俺は父さんとは違うんだよ、星夏のためだからな....」
りょう「...何だと？」
てつや「りょう...そんなムキにならないでよ.....」