扉を開け、頭だけ出して廊下に誰もいないことを
確認してから外に出た。
駆け足で非常階段に向かう。
非常階段の扉に手をかけた時、
マコの後頭部に何かが当たった。
後ろを振り向こうにも、強く当てられて振り向けない。
押さえられている力が弱くなったので、マコは後ろを見た。
そこに居たのは、あの白髪混じりの男だった。
扉を開けて逃げようとすると、
男はマコの腕を強く掴んだ。
マコは警察に電話した時のことを思い出した。
あの時、続きを思い出せないくらい曖昧だった記憶が、急に鮮明なものになったのだ。
こうしてマコは、"End"で1ヶ月働くこと、そして書き換えられた未来に従うことを約束させられた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。