ピーンポーン
「おはよう。」
「おはよう、皓」
昨日約束した通り、皓は僕を向かえに来てくれた。
二人きりで登校するのは初めてかも知れない。
いつもお兄ちゃんと皓で登校、下校してたから。
「皓と二人で登校するの初めてかも知れない。」
「.....。
お兄ちゃんがいないと嫌?」
「ううん。何か、楽しいなって思ってさ。」
「俺...毎日向かえに行く...。」
「はは、そりゃどーも。
...お兄ちゃんも一緒だったら良かったのになあ。」
あ~....寂しい。
「俺はいなくならない。
ずっと涼のそばにいる。」
皓の寂しげな声が風に透き通って響く。
相変わらず、心地いい声だ。
...お兄ちゃんの次に。
「誤解を生むような発言やめろよ。
でもそうだな...。お前がそばにいたら、毎日楽しいだろうな...。」
うん...。きっと楽しい。
「...俺...涼のこと...」
「だから、僕より先に彼女つくんじゃねーぞ?」
きっと...そういうことになる。
「うん...作んないよ...一生。」
「僕が先に彼女を作るんだから。」
そう、きっと、いや、必ず僕は
ノンケ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。