お兄ちゃんが僕を好き?...。
.....。なるほど!
「僕もお兄ちゃんが好きだよ。いくら義兄でも兄弟愛は変わらないし。」
うん。そうだ。そうに違いない。
お兄ちゃんがゲイで、そして弟の僕が好きなことなんて...ない‼
「お前が多少バカで良かったよ。恋愛対象でだ。」
そうそうそう、恋愛対象で
.....はい?
「恋愛対象でだ。」
.....いや、まてまてまてまて、MA・TE・I ☆
お兄ちゃんがゲイでそして弟の僕が好き...
落ち着け...僕...
「近親相姦かよおおお!」
「お前よくその言葉知ってたな。」
「あ、うん、知ってた。」
じゃなくて‼まさかお兄ちゃんが僕を好きだったなんて...。
僕普通にお兄ちゃんとお風呂入ってたよ。
「で、今お兄ちゃんどこにいるの?」
でもお兄ちゃんは今までとは変わらない大好きなお兄ちゃんだ。
近親相姦がなんだ。
大丈夫。
きっとお兄ちゃんなら分かってくれる。
僕がノンケだってこと。
女の子に恋したことないけど。もちろん男にも。
「俺もわからない。」
え?嘘でしょ?...
あ、
「LINE!」
僕は自分の部屋に無我夢中で走っていった。
お兄ちゃんと離れたくない。
スマホの電源を着けてお兄ちゃんにLINEを送ろうとした。
でも...遅かった。
「ブロックされてる。」
その日、僕は布団にうずくまって泣いた。
学校も休んだ。
何もしたくない。
とりあえず、一人になりたい。
「ウウ...ヒッグ...お兄ちゃん...。」
人生で初めてこんなに泣いた。
「会いたい」
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!