第11話

お兄ちゃんなんか大嫌い!
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2018/04/03 09:24
話ってなんだろう。
僕はそのまま生徒指導室へ向かった。


「失礼します。」


あれ?...


「お兄ちゃん、生徒指導の先生は?」


「あの人、おじいちゃん先生でしょう?」


あ、それ言っちゃうんだ。
でもそんな正直なお兄ちゃんも好き。


「だから、急に体調崩してお休みになられたんだよ。」


言葉使い丁寧だなあ。


「じゃあ本題に移るぞ。」


「うん。」


「まず一つ、母さんから同居の許しがもらえた。」


「それってお兄ちゃんと!?」


「うん。」


お兄ちゃんが優しい顔でうなずく。
嬉し過ぎて飛んでしまいそうだ。


「お兄ちゃんの家で!?」


「うん、兄ちゃんの家で。」


心臓が破裂しそう。
胸の高鳴りが止まらない。


「じゃあこれから、
お兄ちゃんと一緒だね。」


「そうだね。」


「あともう一つ、」


「兄ちゃん、結婚するかもしれないんだ。」


え?


「向こうの娘さんが兄ちゃんを気に入ったらしくて...」


兄ちゃんが結婚?...
あまりに衝撃的過ぎて、後のお兄ちゃんの話が入ってこない。
人に散々寂しい思いさせといて
帰ってきたら結婚だなんて...


「でも...」


「意味わかんない...
意味わかんないよ‼
人に散々寂しい思いさせといて、帰ってきたら結婚だなんて!!」


「涼...話聞い...」


「聞けるわけないじゃん!」


僕は生徒指導室を出ようとした。


「涼!」


お兄ちゃんが僕の名前を呼ぶ。
お兄ちゃんが手に持っているものは
ハンカチだった...


そうか...
僕泣いてたんだ...
でも、受け取らない。


「お兄ちゃんなんか!」


























「大嫌い!」

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