次の日。
私達は岐阜を出て、静岡に戻った。
そんなこんなで、あっという間にGWが終わって。
五月病気味で、大学が始まった。
GW明けから、すこし大学の雰囲気が変わり始めた。
というのも他学部の女子に、
コソコソ話されたり、睨まれるようになった。
原因は、一瞬でわかる。
『あの子でしょ。しゃちょーの幼馴染って』
『ずるいよね。それだけで動画に出たり』
『畑のみんなとも会えて、東海オンエアとかとも』
『話せてるんでしょ!卑怯だよ』
『絶対、昔はそうでもなかったけど』
『有名になったからつるんでるとかでしょ』
『確かに。ありえる』
覚悟はしてたけど、少し怖い。
前までが平和すぎたのかな。
まぁ、少しの間は穏便にって思ったのに。
そんな大声で叫ばれると。
目立つんですよ。
そもそも、どこから教室の情報を得たの。
なんて思っていると、
けんすけくんが学生証を渡してきた。
そう言って学生証を受け取ると。
急に他学部の子達がこっちに来て。
肩に腕を回してきた。
それも、力強く。
『もう、あなたったら何してるの?』
『気をつけないと』
『けんすけさんですよね?』
『あなたからよく聞いてます』
『私大ファンなんです』
一言も話したことないのに。
何急に仲良しですアピールしに来てるのか。
後ろ、振り返りたくないな。
なんて思っていると、けんすけくんは
私の腕を引いて自分の方に持って行った。
そんな感じで、けんすけくんに
連れられ私は元座ってた所に移動した。
あの場所から助けるために行っただけとか。
有り得るよね。
それならいいのかな。
いや、違う意味でどうかと思うけど。
ま、そのままこの日は講義に出席した。
けど、隣で普通に寝てて。
寝顔が可愛いと思った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。