店員:ありがとうございました〜!
- あたし達はファミレスを出た
白鳥沢までは少し距離があるので
宮くんは" 送る "と言って送ってくれていた
侑:雨止んだな!
あなた:そうだね
- 酷く降っていたはずの雨も
いつの間にか止んでいた
あなた:帰りの新幹線あるの?
侑:いや,無いから明日の朝一で帰るわ
あなた:え!?何処に泊まるの?
侑:ネカフェとかあるやろ。適当に泊まるわ
- いくらなんでもそこまでする____?
あなた:……あたしの部屋来る?
侑:え?
あなた:あたしモデルやってる関係で一人部屋なの。だから寝るスペースはあるよ
- あたしの為にわざわざ来てくれたなら
別に部屋に泊まるくらい良いと思った
侑:………いや,やめとく
あなた:え………?
侑:あなたはまだ俺の事を思い出しとらんし心休まらんやろ?
あなた:………!
侑:それに誰かにバレたらえらい騒ぎになる
『 せやから嬉しいけど今日はやめとくわ。』
- 彼は彼なりの考えをしっかり持っていて
ちゃんとあたしの事を思ってくれていた
侑:なぁ
あなた:………?
侑:また,連絡してええ?
- 宮くんは携帯を取り出し
あたしのLINE画面を開いた
あなた:うん,いいよ
侑:ほんまに……!?
- 普通に考えて今のあたしにとって宮くんは他人
モデルがそんな他人とLINEを交換するなんて
まず普通に考えて有り得ない話だった
でもあたしは何故か____
宮くんならいいやと思ってしまっていた
侑:めっちゃ連絡するわ
あなた:必要最低限でお願いします
侑:嫌や。めっちゃ送る
あなた:え!?
- 彼はいたずらっこのように無邪気な笑顔を浮かべた
こんな顔もするんだ____
あなた:……あ,これ……
侑:ん?
- あたしが反応したのは
彼の携帯に付いていた" ひまわりのストラップ "
あなた:可愛い………
侑:………これ,俺の宝物やねん
あなた:え………?
- 彼はそのストラップに愛おしそうな顔で触れた
その顔を見て
何故かまた____胸が痛くなった
侑:綺麗やろ?これ" 黄色いステンドグラス "で出来てんねん
あなた:………黄色いステンドグラス………?
- そう言えばあたし
似たような物を
何処かで見たような_____?
あなた:わざわざ送ってくれてありがとう
侑:いや,こちらこそ会ってくれてほんまありがとうな
- 白鳥沢に到着した
彼と別れるのは____少しだけ寂しかった
侑:………次会えるのはいつやろな
あなた:………さぁ………
侑:………あかん……寂しいわ
- 宮くんは寂しそうに笑いながらそう言っていた
寂しいと思っていたのはあたしだけじゃなかった
侑:………すまん
あなた:え………?
- 宮くんは急にあたしの肩に顔を埋めた
侑:………少しだけ………このままでいさせてや
- 今までに聞いた事のないようなか細い声で
宮くんはあたしにそう言った
あなた:………
侑:………!
- あたしはそのまま彼の頭を包み込んで優しく撫でた
宮くんから香る匂いは
懐かしい香りがした____。
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この小説を読みながら
聞いて欲しい曲があるって言ってたんですけど……
あたしはその曲を聴きながら
ストーリーを考えていたので
展開がわかった上で聴いてたんですけど
果たして今皆様にお伝えして
効果?があるのかないのか笑
この小説を読みながら聴いて欲しい曲が
Official髭男dismの『 115万キロのフィルム 』なんです!
恐らく聴いたことある方いるかと思われます!
思い思われ振り振られの主題歌ですね( *˙˙*)
この小説のストーリー展開を想像しながらでもいいですし
今までのことを振り返りながら聞くのも良し!
物語進むに連れて
いい感じに合うと思います( ¯﹀¯ )語彙力
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!