第8話

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2021/06/19 07:59




















白布 side











川西:じゃあ俺今日は五色んとこ行くから




白布:おう。んじゃまた明日




川西:お疲れ











- 俺達は練習を終えて寮に戻っていた

同室の太一は後輩の五色の部屋に行くらしい

今日は静かに寝れるな____





















白布:……ん……?




















- 太一と別れて辺りを見渡すと

大きな桜の木の下のベンチに

見たことの無い女の子が座っているのが見えた













あなた:………




















- その子は何処か悲しげな目で空を見上げていた

俺は女子にそんな興味がある訳ではないから

見たことの無い女子が居てもおかしくはない

でも何故か____その子から目が離せなかった


















白布:……おい




あなた:………!

















- 結構な時間が経ち日は完全に落ちた

けど彼女はずっと空を見上げていた

俺は思わず近付いて声を掛けてしまった













白布:こんなとこで何してんの?




あなた:………




















- 彼女は眉を下げてながら俺を見た

でも____何も答えなかった











白布:もう暗くなってきたし帰らねぇと危ねぇぞ












- 学校は始まってないからか彼女は私服だった

でも春休みにわざわざ学校に私服で来るとは考えにくい










白布:寮の子?




あなた:………













- 彼女はようやくコクンッと小さく頷いた

よくよく見ると彼女の身体は細すぎるほどだった










白布:細すぎね?ちゃんと食ってんの?




あなた:………












- 彼女は目を逸らした

触れて欲しくなかったのだろうか

恐らく彼女は" 何も食べていない "だろう













白布:とにかくもう暗いし早く部屋戻れ




あなた:………












- 彼女は小さく首を横に振った

何だ____?










白布:戻りたくねぇの?




あなた:………




白布:はぁ………なら
























『 今日は俺と一緒にいるか? 』























- 俺がそう言って手を差し伸べると

小さくて冷たい手が俺の手をゆっくりと取った









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