- 目を覚まして1ヶ月後の3月
まだ完治をした訳では無かったが
様態は大分回復をした為
あたしは退院して自宅に帰った
凛々華:此処があなたの部屋ね!
あなた:此処が………?
- 案内された部屋に物は殆ど無かった
暫く使用していた形跡も無い
凛々華:ごめんね。あなたの荷物はまだ此処に届いてないの
あなた:え………?
凛々華:訳あってね,あなたは高校は宮城( コッチ )じゃなくて他県の高校に通ってて別居してたの
あなた:別居………?
- だからあたしはお姉ちゃんと一緒に過ごしていなければ
部屋に全く荷物も無い状態なんだ____
凛々華:お父さん達が連絡してくれて明日中には荷物届くって!
あなた:………そっか………
凛々華:高校は" 転校 "っていう形になったみたいだけど……
- " 警察や医者,両親の判断だからそこは我慢してね "
お姉ちゃんは眉を下げながらそう言った
ついさっきまで入院していたから" 医者 "は分かる
でも何で" 警察 "が関わって
" 転校 "という措置をとらせたの____?
あなた:ねぇお姉ちゃん
凛々華:?なぁに?
あなた:あたし,川に流されて頭をぶつけたんだよね?
凛々華:……?うん。お医者さんはそう言ってたね
あなた:あたし………川に落ちたってこと……?
- お姉ちゃんは眉を下げながらあたしを見詰めて
何も答えてくれなかった
あなた:川に落ちたのは事故……?それとも誰かに突き落とされたの……?
- 突き落とされたのであれば
事件性があるから警察が関わってくるのはわかる
でも突き落とされたのであったとしても
何故それが" 転校 "に繋がるのかは全くわからない
凛々華:……ごめん
あなた:………?
『 今は言えない。』
- お姉ちゃんはそう言いながら優しくあたしを抱き締めた
あたしを抱き締めるお姉ちゃんの手は
酷く震えていた____。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。