侑 side
侑:え______?
仁菜:………驚いたやろ
侑:そりゃあ………まぁ………
- 中学の頃から丸山をそないな目で見た事が無かった
他の女子とは違って話しやすかったし
丸山も俺に対して
そんなんや無いと思っとったから____。
仁菜:侑って女嫌いやん?
侑:ま,まぁ………
仁菜:だから普通の女の子やと絶対に眼中に入らへんし他の女の子と一緒の扱いになってまうって思ったんよ
- 確かに丸山は
他の女子とは違った
仁菜:侑にそんな気無いよな素振りで普通に仲良く話せば近付けるんやないかって思ってん
侑:え………
仁菜:でも____それが続きすぎて伝えるタイミングとか全部無くしてしもたんよ
『 ほんとはずっと,侑の事が好きやったんやで。』
- いざという時に支えになってくれとった丸山
そんな丸山が
ずっと俺の事が好きやった____?
仁菜:だからそんなに辛いならあなたの事忘れて私にしちゃいなよ
侑:え?
仁菜:私なら逆に侑の方が住む世界違う人間って思うし,普通に付き合えるし侑の傍に居られる
" だからいい加減,私を選んでよ____。 "
- 丸山は泣きそうな顔でそう言いよった
ずっと俺事を近くで見てきた丸山
俺の事は周りと比べてよく理解してくれとる
きっと丸山と付き合った方が俺も楽や
でも______
侑:………すまん
仁菜:え………?
侑:俺………丸山と付き合う事は出来ひん
- 決して丸山の事が嫌いな訳やない
ええ奴やし一緒におって楽しい
でも______
侑:俺の好きな人は前にも後にもあなたしかおらんから
仁菜:………!
- これに関しては
1mmも迷いが無かったんや
仁菜:………ほんま,あなたには敵わへんわ
侑:え………?
- 丸山は薄く笑いながらそう言った
仁菜:私,侑の事好きやったけどあなたの事も好きやった
侑:え?
仁菜:ほんまにええ子やし可愛ええし人の事考えて無理しよるし
- " そんなあなたの事が大好きやったんや "
俺も____そんなあなたに惚れたんや
仁菜:せやから二人が別れて欲しいとか思った事無いし引き裂こうって思ったこともあらへん
侑:え………
仁菜:侑の事は好きやった。だからこそ____
『 侑が好きになったのが
あなたで良かったって思えたんよ。』
仁菜:諦めるつもりなん?
侑:え?
仁菜:前にも後にもあなたしかおらんって答えが出とるのに諦めてまうん?
侑:俺は______
" 例え諦めたくても諦められへん。 "
仁菜:………なら諦める必要は無いやろ
侑:え………?
仁菜:行動するかしないかは侑の勝手やけど,好きでいる事を諦めたらあかんで
- 丸山は微笑みながら,そう俺に力をくれた
侑:丸山,ありがとな
仁菜:あんたの力になるのはお易い御用やで( 笑 )
侑:ちゃう
仁菜:?
" 好きになってくれてありがとな______。 "
- あなた以外の女子に
初めて思った気持ちやった____。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。