第41話

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2020/08/21 03:22




















- 宮くんのひまわりのような笑顔は

やはり何処か懐かしい感じがした____
















侑:で?何処に行きたいん?




あなた:え?




侑:自分,行きたいところある言うてたやろ?

















- そう,あたしは東京に行ったら

絶対に行きたいと思っていた所があったのだ














































あなた:此処………!




侑:?此処?
















- あたし達は駅前の建物までやってきた

建物の中にある可愛らしい雰囲気のお店

東京限定の" パンケーキ屋さん "だ










あなた:すごい……可愛い………!











- 店員さんに席に案内された

店内も可愛らしい雰囲気で

あたしは席についてからも店内を見渡していた













侑:此処に来たかったん?




あなた:うん。東京限定ですごく美味しいパンケーキ屋さんなんだって……!




侑:そうなんや













- 宮くんは店内では無く

あたしを見て嬉しそうに微笑んでいた













侑:どれにするん?好きなの選んでええで




あなた:え?




侑:?俺は一人で食えるけどあなたはこの量一人じゃ無理やろ?











- 宮くんの言う通りだった

あたしは一人前を食べられたことがない











あなた:で,でも………!




侑:一緒に食おうや




あなた:え………?




侑:せやから好きなの選び













- 宮くんはそう微笑んでくれた

あたしはお言葉に甘えて" イチゴのパンケーキ "を選んだ









侑:にしてもほんま女子ばっかやなぁ












- 注文を終えて改めて店内を見渡すと

店内は当たり前ながら女の子で溢れ返っていた













あなた:………ごめんね




侑:?何で謝るん?




あなた:あたし東京来たら絶対行きたいと思ってて……でも東京には友達もいないし……お姉ちゃんも仕事で予定合わないから………















- あたしはこんな所に宮くんを誘ったことを

今更ながら申し訳なくなってしまっていた












侑:なんや,そんな事かいな。気にしなくてええんやで?




あなた:え………?




侑:俺はあなたと一緒にいられるだけで嬉しいし,あなたは此処に来るのに" 俺を "選んでくれたんやろ?













- たまたま同じ日に東京にいると知った

けどそれが宮くんじゃなかったから

きっとあたしからなんて誘っていなかった












侑:あなたに誘ってもらえて俺は嬉しいで?




あなた:え………?





















- " せやからありがとな "

宮くんは嬉しそうにそう笑っていた

あたしも連られて頬が緩んでしまった
































店員:お待たせしました〜!イチゴのパンケーキです!




あなた:………!来た………!













- 運ばれてきたのは

メレンゲを使ったふわふわのスポンジに

たっぷり生クリームとイチゴが乗せられた

とても美味しそうなパンケーキだった












侑:これはあなた一人やと絶対無理やな( 笑 )




あなた:うぅ………




侑:ま,その為に俺がいるんやろ?












- 宮くんは優しく微笑みながら

" 食べよか "とフォークとナイフを渡してくれた








あなた:いただきます………!













- パンケーキにナイフとフォークを付けると

スポンジに吸い込まれていく

それだけでどれだけふわふわしているかがわかる

一口サイズに切って生クリームといちごを乗せ

あたしは口の中に入れた____









あなた:………!美味しい………!











- 口に含んだパンケーキは溶けて無くなってしまった

そのくらいふわふわしていて

味もスポンジが甘すぎず丁度いい

とても____美味しかった












侑:そんなに美味しいん?




あなた:うん……!宮くんも食べてみて……!




侑:ほな____





















- " 食べさせてや "

宮くんはそう笑いながら口を開いた














あなた:えッ………?




侑:何や?くれへんの?











- 突然の事に私は戸惑った

けど宮くんはそれを辞めようとしない

あたしは渋々パンケーキを

宮くんの口に運んだ












侑:ん,ほんまや。めっちゃ美味い




あなた:!でしょ………?









- 宮くんも" 美味しい "と微笑んでくれた

よかった______















店員:いらっしゃいませ〜!




あなた:………!











- 案内されたお客さんを見ると

その人達はカップルだった










侑:やっぱカップルでも来るんやな




あなた:え………?












- 同じお客さんを宮くんも見ていた

あたし達もカップルって思われてたりするのかな?

でも確か宮くんって______





















あなた:ねぇ




侑:ん?




あなた:宮くんには彼女がいたんだよね?




侑:え………















- 花火大会で遭遇した男子たちの話を思い出した
















あなた:その彼女さんの事が………忘れられないんだよね?




侑:………おん………















- 宮くんは少し寂しそうに微笑んだ

忘れられない子がいるのに

あたしなんかに時間を使っていていいのだろうか?

そう思うと

何故か____すごく胸が痛かった


















侑:でも,今俺がしとる事は間違っとらんから




あなた:え______?




侑:俺が今あなたと一緒にいる事は____






















" 無駄な事でも間違いでも何でもあらへんで。 "

























- 宮くんはそう言ってくれたけど

なんで______?















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