第33話

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2020/08/20 05:00




















侑:そろそろ花火始まるから行こか




あなた:う,うん













- 花火がそろそろ始まるらしく

宮くんは花火を見る場所に移動した

でも何故か人混みを抜けて

人気の無いところまでやってきた

























侑:此処なら人もおらんしゆっくり見れるやろ



あなた:此処は………神社?









- 連れてこられたのは神社の階段だった

宮くんの言う通り確かに此処には人が居ない

でもあたし______















侑:此処ならサングラス外しても大丈夫やろ




あなた:え………?













- 宮くんはそう言ってあたしのサングラスを外した

急に視界に色が着く

あたしは辺りを見渡した

やっぱりあたし______此処を知ってる













侑:ほれ,座り




あなた:え………?
















- 宮くんはハンカチを広げて

あたしに座るよう促した






















" あー,やっぱり靴擦れしとるわ "





















" ほんまに無理だけはせんといてや "

























あなた:ッ………




侑:あなたッ………!?











- また頭が痛むと同時に浮かんだ光景

やっぱりあたし,過去に此処に来たことがある

しかも____宮くんと










侑:平気か……?




あなた:……うん,平気。ちょっと疲れてるみたい




侑:仕事の後やもんな。無理言うてごめんな











- 宮くんもあたしの隣に腰を下ろした











侑:……どうしてもあなたと一緒に過ごしたかったんよ




あなた:え………?




侑:せやから来てくれてほんまに嬉しかった











- " 無理言うてるのはわかっとったけど

それでも来てくれてほんまにありがとう "

宮くんは優しくそう微笑んだ










あなた:………100%宮くんに誘われたからじゃないよ




侑:え………?














- 誘われただけなら絶対に行かなかった

バレるかもしれないリスクを背負ってまで

男の人と一緒になんて歩けない

______でも

宮くんに会いたいと思っている自分が確かにいた
























パアンッ




パアンッ














あなた:………!




侑:………始まったな














- 記憶上これが初めて見る花火

空に広がる光る花畑
























あなた:綺麗………




侑:………!






















- あたしの頬は自然と緩んでいた

過去のあたしもこんな綺麗な花火を

誰かと見ていたのだろうか____?





















侑:………ほんま,綺麗やな





















- 宮くんがあたしの顔を見ながら

愛おしそうに微笑んでいた事に

あたしは花火に夢中で気付かなかった
















































あなた:……終わったね




侑:せやな




あなた:大森さん待ってるから……行かないと













- あたしは立ち上がってタオルを畳んだ

洗って返そう

そう思っていた時____宮くんに手を掴まれた























侑:_____あんな




あなた:………?




侑:俺______まだあなたに言うてへん事があんねん


























- 言ってないこと____?

























侑:記憶の無いあなたに言うても意味無いことくらいわかっとる




あなた:え………?




侑:でも………とにかく言わせて欲しいんや
































『 ほんまにごめん。』




























- 宮くんは泣きそうな顔であたしを見詰めながら

そう静かに謝った______。














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