目を開けると、カーテンの隙間から太陽光が差し込み少し明るい室内が瞳に写った。
そして、こちらを向いて眠るウォヌの寝顔。
モゾモゾと口元を隠すように掛け布団に包まり、大きな体を小さく折り畳んでいた。
シーツが汚れていないことを確認しては安堵の息を洩らす。
スマホを見ると、時刻は6:00。
重たい腹と腰を抱えてゆっくりと起き上がった。
スーツケースから着替えを持ってシャワーを浴びようとシャワールームへ向かった。
サーッとシャワーヘッドから出るお湯が床を叩く音に包まれ、鏡を見ながら欠伸を噛み締める。
眠れたような、眠れてないような。
睡眠時間としては十分な時間だったが質が良くなかったような感じがする。
シャワールームから出て、ラフな格好に着替えては髪をワシワシとタオルで拭きながら、ウォヌの元へ向かった。
トントン、と肩や腕の辺りを軽く叩いて起こすと、意外にも彼は直ぐに目を開けた。
寝起きは良いようだ。
自分が寝ていたベッドの上を片付けて、ドスッと腰掛ける。
体の倦怠感と腹痛、そして腰痛がどんどん酷くなっていた。
なんで女は…、
はぁ、と息を吐き出した。
薬はご飯の後に飲みたいし…、
ベッドがゆっくりと沈み、ウォヌが隣に座る。
僕の肩を抱くように手を添えて顔を覗き込んでいた。
弱く笑ったあと僕は眉間に皺を寄せ、俯いた。
ウォヌは何も言わずに僕の頭をそっと撫でた後、自分の支度を始めた。
月に1度こうなることは仕方ない。
世の中の女性はきっとこれを理由に仕事を休むこともあるだろうけど、僕は休めない。
僕の代わりは居ないから。
どうにか対策して、いつもと変わらない姿で居ないと。
立ち上がればふわりと目眩がする。
最悪だ。
다음
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!