- 7 - Mountain Ash
「 慎重 」
シウさんの部屋に集まり、明日のスケジュールの詳細を確認した後、メンバーと少し話をして、また部屋に戻る。
時刻は20時。
飛行機で寝てしまってエネルギーは有り余ってしまっているし、少し空腹も感じる。
窓際のテーブルに広げたルームサービスのメニューを見ながら、部屋の端でパソコンと向き合うヒョンに声をかける。
椅子に座る僕の隣に立ち、背もたれに片手を、もう片方の手をテーブルについてメニューを覗き込むヒョン。
ふわ、と柔軟剤の香りがした。
爽やかで清潔感のある香り。
部屋の電話を取り、少し拙い英語で注文をしてくれるヒョン。
料理が届くまで、2人でパソコンの画面を見つめながらカメラや映像の話をしながら待った。
そうだよね、と返事をしながらその場を離れ、スーツケースの荷物を確認し、寝室から離れた化粧室に向かった。
女特有の、月のものの予感がする。
料理を選んでいる時に下腹部が少し痛み始め、まさかとは思ったが、こういう勘というか、予想というか、そういうものはよく当たる。
はぁ、と大きな溜息を吐き出した。
個室から出て、スマホを手に取りシウさんに事情を説明して外出の許可を貰う。
シウさんの言う通り、ウォヌは何も聞こうとしない。
とても有難かった。
必要なものを買っておこうと、近くの店に急ぐ。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。