第80話

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2021/12/15 08:36








次の日の撮影に備え、就寝しないといけない時間になった。






ウォヌ
ウォヌ
電気消していい?






サイドテーブルを挟んで隣に置かれたベッドで横になっている、ウォヌの声が聞こえた。






シウォン(me)
シウォン(me)
いいよ






僕が応えるとパチンと真っ暗になる室内。






布と布が擦れる音と、ウォヌの咳払いが響いた。






シウォン(me)
シウォン(me)
ウォヌヒョンは、真っ暗にして寝るタイプ?
ウォヌ
ウォヌ
ん?常夜灯ついてても寝れるよ。この職業やってるから、どんな状況でも眠れる体になった
ウォヌ
ウォヌ
シウォンは? 
シウォン(me)
シウォン(me)
僕は、慣れない土地だと眠れないタイプ。すぐ起きちゃう






暗闇で2人で話していると修学旅行を思い出す。






視覚が無くなると、聴覚が敏感になる。






ウォヌ
ウォヌ
大変だ 
シウォン(me)
シウォン(me)
でも、こういうのにも慣れないと
ウォヌ
ウォヌ
そうだね






彼の声は低くて少しハスキー。






輪郭のはっきりしない言葉が少しずつ紡がれ、声の間隔が空き、やがて彼の寝息だけが静かな部屋に響き始めた。






偶に寝返りを打つような音も。






僕は目を閉じ、何も考えないように、眠ることだけに集中しようとしたが、自分の心臓の音が頭に響いて眠れそうになかった。















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