今は夜。
あと少しで、このゲームが終わる。
⁉....な、何だろう...
生存者...?
...え?
一人...?
つまり...
生き残ってるのは私一人...?
そんな...
皆、死んじゃった...?
涙が溢れる。
どうしてこんなことになったの...?
死にたい。死にたいよ...
「俺を無駄死にさせる気か。」
咲田の言葉が頭によぎる。
そうだ。
咲田を無駄死にさせてはいけない。
絶対に、このデスゲームをクリアするんだ...
突然、道の先にぬいぐるみが現れた。
ウシビだ。
私は走った。
そして、裏路地に隠れた。
どうか、どうか、どうか...
見つかりませんように...
裏路地に、光が差し込んだ。
夜明けだ...
クリア、したんだ...
やっと、やっと、やっと...
クリアしたんだ...!
このデスゲームを...!
グシャァ
.....え?
今の音...
私、死んだの...?
まだ、終わってなかったの...?
私は...
ゲームオーバー?
────────────────────────────────
気付いたら、暗闇にいた。
私はゲームオーバーしたんだっけ。
誰かの声が聞こえる...
『君は選ばれた。』
選ばれた?
『そう。君は選ばれた。』
『だから、3年間だけ、命を与えよう。』
3年間だけ...
『そして、1つの願いを叶えよう。』
1つの、願い...?
『そうだ。』
『何でも言ってみろ。』
私の、願いは...
咲田を生き返らせること。
『承知した。』
『その願い、叶えよう。』
『さぁ、元の世界へ────』
─end─
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。