第25話

デアイ Ⅱ
840
2020/12/30 04:11
ピンポーン






家のインターフォンが鳴る。


せっかく、千歳が作った夕飯のハンバーグ
食べてたのに...

出るのめんどくさい。
夏目 彩葉
千歳出てー。
如月 千歳
は?やだし。
夏目 彩葉
うわぁー。こわぁーい。
まぁ、いっか。

私は、玄関までノロノロと歩いて行って、ドアを
開ける。
夏目 彩葉
はぁーい。
???
あ、こんばんは!
???
今日から隣に住まわせてもらいます!
???
宜しくお願いします!
???
じゃ!さよなら!
???
先輩、本来の目的忘れてます。
???
あ、そうだった。
何か、この会話どこかで...
夏目 彩葉
あーー!!!
如月 千歳
うるせぇ。
夏目 彩葉
はい。
昼休みのいちゃラブカップルだ!
???
えっと...
花江 結
花江結です。宜しくお願いします!
片岡 楓
片岡楓です。宜しくお願いします。
夏目 彩葉
は、はい!
夏目 彩葉
夏目彩葉です!宜しくお願いします!
如月 千歳
寒いから早く玄関閉めろ...って、
如月 千歳
昼休みのカップル。
花江 結
カ、カップル...?
え?カップルじゃないの?
片岡 楓
先輩があんなことするから誤解
されてるじゃないですか。
花江 結
え?私のせい?
片岡 楓
はい。間違いなく。
彼氏さん...じゃなくて、片岡さんはそう言って
呆れた顔をする。

何か今日、色々なことが起こるなぁ...
夏目 彩葉
変な夢も見たし...
私がそう言うと、彼女さん...じゃなくて、
花江さんは驚いた顔をした。
花江 結
変な、夢...?
夏目 彩葉
え?あ、はい。
片岡 楓
先輩。完全に引かれてます。
花江 結
え?そう?
片岡 楓
はい。
如月 千歳
ハンバーグ冷めるぞ。
夏目 彩葉
えっ⁉やだぁ!!
夏目 彩葉
ごめんなさい!お話しはまた今度!
私はそう言って、ドアを閉め、ハンバーグを頬張り
始めた。
如月 千歳
ふっ。デブになるぞ。
夏目 彩葉
もぐもぐもぐもぐ!
如月 千歳
何言ってるか分かんねぇし。
夏目 彩葉
ゴクン...デブにはなりません!
如月 千歳
はいはい。
千歳はそう言って私の頭を撫でる。
夏目 彩葉
こ、子供じゃない!!
如月 千歳
やーい。ちーび。
千歳はそう言って、「にやり」と笑う。

ああ!!ウザい!!






















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私は今、学校にある剣道部用の道場にいる。

そうです。私は剣道部なのです。
剣道部員
はーい。ちゅうもーく。
剣道部員
今日から剣道部に入る3年の、
花江結だよ。仲良くしてやってね。
花江 結
宜しくお願いします。
夏目 彩葉
あーー!!
剣道部員
うるさい。
夏目 彩葉
はい。
あの人、隣に引っ越してきた人だ!
剣道部員
じゃ、部活開始!
剣道部員
オー!






















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部活を開始して数分後。

私はあることに気が付いた。























花江先輩が強すぎる。
剣道部員
試合止め!
剣道部員
勝者、花江結!
この言葉を何回聞いたのやら...
剣道部員
す、すごい...
剣道部員
これ、団体戦とか全国行けるかも...
剣道部員
そもそも、花江先輩の実力が
全国優勝レベルだもんね。
剣道部員
ねー。
あ、花江先輩に弟子入りしようかな...?

私はそんな、変なことを考えてしまって、
「くすっ」と笑った。
























この時、先輩たちと出会わなければ私は、この世に
いないだろうな。

未来の私はそう、思うようになる。

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