前の話
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※本作は写真プリントアプリ『ALBUS(アルバス)』を紹介するプロモーション作品です
日曜日の午後。
特にやることもなくて、私はベッドの上に寝転がりながらスマホをいじっていた。
窓の外は静かで、部屋の中にはエアコンの小さな音だけが流れている。
なんとなく写真フォルダを開く。
意味もなく、ただ指でスクロールしていく。
文化祭の写真。
友達とのプリクラ。
放課後に食べたパンケーキ。
写真はたくさんあるのに、正直、見返すことってあまりない。
撮るときは楽しいのに、そのままスマホの中に埋もれていって、気づけば次の写真が増えている。
しばらくスクロールしてから、私はスマホを閉じた。
ぼーっとするのも飽きてしまって、ベッドから起き上がる。
部屋を出てリビングに向かうと、テレビはついていなくて、家の中は静かだった。
ソファにはお母さんが座っていて、何かをじっと見ている。
近づいてみると、それはアルバムだった。
分厚くて、少し古い感じのするアルバム。
声をかけると、お母さんが顔を上げた。
アルバムをくるっと私のほうに向ける。
そこには、小さい女の子が写っていた。
髪が短くて、ほっぺたがまるい。
お母さんが笑う。
ページをめくる。
海で砂遊びしている写真。
お父さんに肩車されている写真。
おばあちゃんの家でスイカを食べている写真。
どの写真も、楽しそうに笑っている。
お母さんは懐かしそうにページをなぞった。
そのとき、ふと目に入った。
リビングの棚の上にある写真立て。
小さな四角い写真が一枚、飾られている。
今飾ってあるのは、先月のお花見のときの写真。
私と、妹の芽依がピンクの桜の木の下で笑っている。
私は首をかしげる。
するとお母さんがスマホを取り出した。
だから特にお母さんが好きな写真をこうして飾ってるの、と言われて、私はもう一度写真立てを見る。
たしかに、ここにあるとリビングを通るたびに自然と目に入る。
見ていると、あのときの楽しかった気持ちを自然と思い出した。
お母さんはアルバムを閉じながら言った。
私は少し考える。
スマホの写真。
いっぱいある。
でも、ちゃんと見てるのって、ほんの一部かもしれない。
その日の夜。
ベッドに座って、私はもう一度写真フォルダを開いた。
スクロールすると、いろんな写真が出てくる。
近所に住んでるまっしろな毛並みの野良猫。
コンビニで買ったシュークリーム。
友だちとおそろいで買ったアクセサリー。
放課後、友だちと夕焼けをバックに撮った写真。
逆光だし、ちょっとブレてる。
何を話していたかなんて覚えていないけど、ただ楽しくて、めちゃくちゃ笑っていたことだけは今も覚えている。
写真を見ながら、ふとそう思う。
スマホの中では、たくさんの写真の中の一枚だったのに、こうして選んでいると、一つひとつの思い出が少しずつ浮かび上がってくるみたいだった。
それからしばらく経って。
学校から帰ると、お母さんが封筒を持っていた。
私は急いで受け取る。
封筒を開けると、かわいいましかくの写真たちが入っていた。
スマホで見ていた写真も、プリントして手元にあると少し違って見える。
なんだか、ちゃんと“思い出”になった感じがする。
お母さんが横からのぞいてくる。
私は写真を一枚ずつテーブルに並べていく。
そのあと私は、専用のアルバムに今日届いた写真を一枚ずつ丁寧に入れた。
アルバムには、まだ空いているページがたくさんある。
これからの思い出が入る場所。
私はそのページを指でそっとなぞった。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。