プリ小説

第25話

生きる意味を探す少年 〜2〜
生きる意味なんて人それぞれだ。
1回きりの人生を頑張って楽しみたい人。
愛する人と共に過ごしたい人。
何かをすることに人生をかけている人。
誰かのために頑張るのが嬉しい人。
俺の生きる意味はなんだろう?
他の人みたいに友達はいない、何かをしても
楽しいとは思わない。


俺はただ…ただ人生という時間が進んでいるだけだった。


何も目的もなく、生きたいとも死にたいとも
思わず、考えたら明日がきて、また考えたら
次の日がやってきて、そうして何となく生き
続けてるだけ。
だから、俺が消えたところで何も変わ ───
月野 トウカ
リクトって。
如月 リクト
あ、何。
月野 トウカ
何じゃない。放課後に絵の具の
買い出しデパートについてきて
くれるって言ったじゃないか。
まさか、忘れた?
如月 リクト
あれ…もう終わったのか…。
考え事をしていた間に、授業は終わったのか
教室には俺とトウカしかいなかった。
少し急いで荷物をまとめると、トウカと共に
学校を出た。
如月 リクト
トウカって性格によらず、絵を
描くのが好きだよな。
月野 トウカ
……それは褒め言葉として受け
取っていいのか?
如月 リクト
ああ。
見た目は黒髪ロングとパッと見女子感が強い
けど、男口調。でも、絵を描くのが好きとか
そう言うところが少し面白かった。
月野 トウカ
それは良かった。
デパートに着き、トウカがいろんなものを、
真剣に見ながら選んでいく。
俺はその横で新しい物探しでもしていた。
如月 リクト
……。
何だ?何か少し焦げ臭いような…


すると突如、放送が始まった。
[ただいま、F6で火災が発生しました。館内
のお客様は店員の指示に従い、速やかに避難
してください。]
ここはF5、出火場所のスグ下の階。


どうりで臭いわけだ…。
店員が避難の案内を始めるが、既にフロアは
大パニック。
風船を手に持ち、1人で泣いている少女。
人を押しのけて避難口に向かう学生。
火災に怯える妻の手を握る老人。
月野 トウカ
…残念だが、買うのはまた今度
みたいだな。
如月 リクト
まぁ、その時はまた付き合って
やるさ。
俺達はそう言うと、店員の指示に従い、避難
経路から下の階に向かった。
客は全員、外に出るようにとの指示。
すると、若い女性が叫ぶのが耳に届いた。
女性
誰か!!誰か幼稚園児くらいの
女の子を見ませんでしたか!?
風船を持っているんです!!!
子供が迷子になったのか、可哀想に…
…………って、あれ?
俺は、再度F5を思い出す。
『風船を手に持ち、1人で泣いている少女。』
如月 リクト
あの子……
月野 トウカ
っ…!!
そのことにトウカも気付いたのか、非常階段
からF5に向かった。俺もトウカのあとを追いかける。
走ったことによりスグに着いたF5。
既に火が回っていて、奥からは幼い子の泣き声が聞こえる。
月野 トウカ
リクトはここで待つか、下の階
に戻っといてくれ。
ポツリとそれだけを言うと、トウカは泣き声
のする方へと走って行った。
如月 リクト
……。
女の子とトウカを置いていきたくはない。
結果、俺はF5に繋がる非常階段で待機。
少しすると、奥の方からトウカがあの女の子
を抱えてこっちに走ってくるのが見えた。
無事で良かった……。
そんなことを思った次の瞬間…
如月 リクト
危ない!!!
天井を支える柱が崩れ、2人の頭上に天井が
落ちてきた。
ガッシャァァアンッ!!!
ブワッっと熱風が俺の方にくる。
女の子の泣き声が更に大きくなった。
しかし、その声はこっちに近付いてくる。
少女
お兄ちゃん…!!!
如月 リクト
無事だったか、良かっ…た……
俺の語尾が掠れる。
だって、トウカがこっちに来なかったから。
如月 リクト
長い髪のお姉ちゃんは…?
しゃがみ、女の子に目線を合わせ聞くと、
女の子は少し泣きやみこう言った。
少女
あのお姉ちゃん…天井が乗って
動けないから私だけでも逃げて
って…!お兄ちゃんによろしく
伝えてって…!
如月 リクト
え……?
つまり、トウカはこの子を庇って、自分自身が犠牲になったってことか…?
砂埃が晴れ、下半身を天井に押し潰されて、
身動きが取れないトウカの姿が見えた。
如月 リクト
トウカ!!!
すると、トウカは大声で……
月野 トウカ
…リクト、ありがとな!!!私
みたいな変なやつといつも一緒
にいてくれて!!毎日がすごく
楽しかったぞ!!!それじゃ…
…バイバイ。
そう言って、笑った。


呆然と立っていると、女の子が非常階段の扉
を閉めた。
如月 リクト
ちょっ、何で…
少女
お姉ちゃんが今から花火が咲く
から出たら、ドアを閉めてって
言ってたの…!
バアアァァァァァァアンッ!!!!
脳内にまで響いた大きな音。
その音に女の子は「キャッ!」と悲鳴をあげ
俺の足にしがみついた。
爆発…嘘だろ……?
しばらくその場に立ち止まっていたが、我に
返ると、女の子を抱えて急いで非常階段を
駆け下りた。
少女
お姉ちゃんが言ってた…「願い
ってのは強く願えば、いつかは
きっと叶うもんだから…例え、
辛くても頑張れよ」って。どう
いう意味なのかな?
如月 リクト
……さぁ、分からないな…
その時の俺は本当に、トウカが残した言葉の
意味が分からなかった。


F1まで降りた頃には、消防車が到着。
消火活動を始めている。
女性
ありがとうございます!!
ありがとうございます!!
少女を母親のところに連れて行くと、何回も
頭を下げてくれた。
普通なら「無事で良かったです。」と快く
対応するだろう。
だけど…
少女
……。
如月 リクト
……。
少女も俺も、生き延びたけどいい気分には、
あまりならなかった……

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✨舞✨
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いつも作品をお気に入りにしてくださっている方 ありがとうございます!! こんにちは!✨舞✨です! 更新日の目標:1日1話 《連載中》 『神は僕達を見捨てました』『僕の夢は未来の世界』 『下剋上教室 2学期』(下剋上教室の続きで書いています) 《休載中》 『GAME OVER』 《完結》 『DEATH GAMEシリーズ』 〜0〜「全ての元凶となったDEATH GAME」 〜1〜「これからDEATH GAMEを始めるよ!」 〜2〜「霧ヶ崎中学校卒業式編」 〜3〜「日本中を巻き込んだ生き残りゲーム」 〜4〜「DEATH GAMEは終わらない?」 『DEATH GAME Return』『君達の投票で命は決まる』 『死神の後継者』『学校閉鎖』『天才ゲーム』 『下剋上教室』 専用タグ↪︎✨舞✨ 主に👻ホラー👻を投稿します! いつも僕の作品にいいね!やコメントをしてくれる方 ありがとうございます! 応援のコメントを読んでいると物凄く嬉しくなります! 『✨舞✨の掲示板』 主に僕の作品の連絡、紹介などをしたいと思います! あらすじ等も作品よりも詳しく書く予定です!