第27話

生きる意味を探す少年 〜4〜
452
2020/02/24 12:30
俺は本当に物を灰に変えることが出来た。
部屋で机の上に消しゴムを置き、「変われ」
と思うだけで固形の消しゴムは一瞬にして、
灰になったのだ。
如月 リクト
さて、復讐方法を考えないと…
”死の黒豹”のアジトさえ、掴めば俺の勝ち。
アジトに乗り込んで全てを灰に変えてやる。
トウカの葬式で疲れた体に鞭打って、机の端
からノートパソコンを引っ張り出すと、それ
を持ち、ベッドに転がる。
『死の黒豹』と検索し、アジトの前にまずは
犯行場所などをメモしまくった。
暫くし、突然鳴ったスマホ。
如月 リクト
ん?
スマホを見ると、トウカからのメール。
如月 リクト
え…?
少し震えた手でスマホの画面を開く。
To:月野トウカ
title:夜分遅くごめんなさい
夜分遅くにごめんなさい、トウカの母です。
ついさっきトウカの遺品の整理をしていて、
この携帯もデータを移しとこうと思いまして
開きました。いくつか学校に関係ありそうな
内容を見つけましたので、如月君に送らせて
もらいます。
如月 リクト
学校に関係ありそうなことって
あったっけ?
ボソッと呟いた瞬間、スマホが再び鳴る。
見て俺は驚いた。
”死の黒豹”についてが書かれたメモが大量に送られてきたのだ。
如月 リクト
何でトウカが”死の黒豹”……
あ!!そういうことか!!!
母さん
リク!いつまで起きてるの!?
早く寝なさい!!!
如月 リクト
は、はい!!!
夜中に大声を出し、母さんからの注意。
まだ寝る気のない俺は部屋の電気を消した。
トウカは新聞部に所属していた。それなら、
記事の材料としてメモしてても納得できる。
俺はトウカに感謝しながら作業を続けた…
















帰っては調べるを繰り返し、1ヶ月。
ついに”死の黒豹”のアジトを突き止めた。
そして、学校をサボった俺はアジトのビルの前に来ていた。
如月 リクト
……。
無表情でビルの壁に手をつく。そして…
如月 リクト
…灰になって死ね。
コンクリや鉄骨で出来たビルは瞬く間に灰となっていく。
中から悲鳴が聞こえるがそんなの知らない。
中にいる”死の黒豹”も死ねばいい。
お前らに生きていい理由なんてない。
お前らは死んで当然の人間だ。
因果応報、悪いことをした奴には悪い報い。
いいことをした奴には良い報い。
けど、トウカに良い報いはなかった。
生きてるお前らには俺から悪い報いを与えてやる。
地獄に行けよ。
目の前の土地に灰で出来た山。
如月 リクト
復讐完了。
灰の山を置いたまま、その場を立ち去る。
これで…トウカは安らかに眠れるよな…
することを終えた俺は寝坊と言うことで学校に向かった。

プリ小説オーディオドラマ