真っ暗のステージ…
カシャン…
スポットライトがわたしを照らす…
着物と同じ柄のばんがさをクルクルまわす。
上からチラチラ桜の花びらが降ってきた…
ヒカキンさんは、ここまでしか知らない。
トマトクンがあらかじめ録音してくれた音声が流れる…
トマト「そこにおられるのは、あの人気YouTuberはじめしゃちょーの彼女、苺…
本名、あなた…」
観客「あなたちゃんっていうの!?」
観客がざわめく。
はじめ以外のメンバーにスポットライトがあたった。
だいちぃ「苺、おれと逃げよう。」
やふ「いいや、この俺とだ」
たなっち「アイツが来る前に…!はやく!!」
あなた「…いいえ、あなた達とはいけません。わたしには心に決めた人がいるのです…」
謎の緊張感が会場全体をつつむ…またトマトクンのナレーションが流れ出した。
トマト「苺がそういうと、その男はやってきた。」
はじめ「…苺、迎えに来たよ。さあ、おいらと一緒にいこう」
えーっと、このあと…
あなた「はい、よろこんで」
畑のみんな「き、来やがったな!!」
トマト「そして、だいちぃ、よーへー、たなっちたちははじめにこう言われたのです。」
はじめ「残念だったな。苺はもうすでにおいらのものなんだ」
たなっち「な、なんだと!?」
やふ「そ、それは…まさか…」
はじめ「あぁ、そうだ。おいらは苺と結婚する!!」
観客「え、うそ」
ヒカキン「えっ」
観客が一気にうるさくなった。
だいちぃ「くそっ…」
そしてみんなは帰って行き、ステージは私とはじめだけになった。
はじめ「えー、茶番にお付き合いくださりありがとうございました。
さっきの茶番で気づいた人もいるとおもいますが、僕と苺、あなたは結婚することに
なりました!」
あなた「これからも苺として畑で活動していきますので、どうぞ宜しくお願いします!」
パチパチ…
ヒカキン「え、えぇ!結婚するの!?」
はじめ「すいません、親分w」
ヒカキン「えぇー!!おめでとー!!みんな、温かい拍手を!!」
パチパチ…
ヒカキン「あ、ふたり指輪してるじゃーん!!さっきしてなかったのに!」
はじめ「流石、気づかれましたかww」
ヒカキン「えぇ〜…これなに??」
はじめ「ダイヤモンドですww」
ヒカキン「wwwww」
な、なんか、わたしどーしたらいいんだろう…
はじめ「入籍は明日する予定です。式もあげるつもりですが、それはもう少しあとになりそうです」
あなた「また詳しいことは動画やツイッター、公式サイトなどでお知らせいたします。」
はじめ「以上です!」
はじめ・あなた「ありがとうございました、これからも宜しくお願いします!!」
…こんなかんじで、発表は終わりました。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!