どうもーHiHi Jetsの井上瑞稀でーす
今、インタビューの仕事が終わってダンス
レッスンに行くとこでーす
メンバーとアイランドTVを撮りながら
歩いてまーす
ちょっとだけ空いてるドアの隙間に
カメラを入れる
だって夢ハリ流れてるし絶対あなたじゃん
てか嶺亜から何かLINE来てるし
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何があったんだろ
こういう時は別の部屋使えばいいんだ
隣の部屋で練習しよってメンバーに伝えると
事情を察したのかすぐに了承してくれた
あなたの練習風景をこっそり動画に収めて
別の部屋に行く。
ほんとにあいつ何あったんだろ…
ガリさんが戸惑ったような声で話しかけてきたのは
ダンスレッスンが終わって帰ろうとした時。
気付けば長い時間踊っていたようで外は暗くなり
雨の音が聞こえた。
早く帰りたいんだけどなーって思いながらも
返事をするとスマホの画面が向けられて
そこにはある週刊誌の記事が写っていた。
『ジャニーズJr.永宮川あなた
会社の社長と結婚か』
素早く荷物をまとめて家に向かって走る。
雨が降っていたけど傘は無いからパーカーの
フードを被る。
でもそんなものは走っていたら意味が無くなった。
何でだよ…!
何でそんな大事なこと言ってくれないんだよ!
嶺亜にだけ言ったのか?
それはそれで嶺亜に腹が立つ。
第一、結婚って何だよ!
確かに俺らは今年二十歳で十分に結婚は出来る。
けど気持ちの無い結婚なんて酷すぎる。
勝手に娘捨てて、勝手に男作って、勝手に色んなこと言って…
そんな母親の言いなりになんかなるなよ!
だから、あなたの結婚相手は…
俺しかいない
まっすぐ家に帰ろうと思ったけど俺の足は
自分の家じゃなくてあなたの家のほうに動いていた。
あなたの考えが聞きたかった。
あなたに本当のことを聞きたい。
あなたを守りたい…
そう考えてるうちにあなたの家の前に着く。
雨の寒さに震えながらインターホンを押して
あなたが出てくるのを待つ。
しかし、はっと気付いた。
あいつならまだ練習してるかもしれない…
急いでガりさんにあなたの居場所について聞く。
返信はすぐに返ってきた。
あなたはもうあのレッスン室にはいないらしい。
そうなると家にいるはず…
でも家にいないってなったら?
のえるくんの家?嶺亜の家?
嶺亜の家だけはまじでやめろ…!
寒さと疲れで震えながらドアが開くのを待っていると
ガチャと小さな音がした。
あなたは雨の中走ったせいでで髪も乱れている俺を見て
少しビックリしていたが家に入れてくれた。
案外いつも通りのあなたで安心した。
でも安心したのと同時に無理してるんじゃないかっていう
不安が頭をよぎった。
あなたに案内してもらってとりあえずシャワーを浴びる。
早くあの事を聞きたくて、
素早くシャワーを済ませて浴室を出る。
海人くんの服をあなたが持ってることに少し
苛立ちながら髪をざっと拭いてあなたの所に戻る。
あなたは温かい飲み物を淹れているようだった。
あなたの前でこの話をするのはとても緊張する。
同期っていう関係は崩れるかもしれない。
でも、崩れてもいい。
俺は今、
この気持ちをあなたに伝えなければならないんだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!