赤 side
「 淳太ぁああ……っあ ……ああぁっ」
『 1人で 逝くなって っ ……っあ 』
「 も ……だめ っあ ……あああっ」
………………………………
「 これって ほんまに 実験 なん ?」
どうしても 気になるから 聞いてみた .
『 当たり前やん .
この 瓶の中に入ってる 薬の研究や』
「 これ、 何なん ?」
首についた 瓶を揺らす
『 お前だけに 効力がある 媚薬 兼 毒薬 』
「 どくやく !?!?!?」
びっくりして 目が飛び出そうになる .
『 馬鹿、そない驚くことちゃうし』
「 いや!毒薬って言われたら誰でも驚くやろ!?」
『 媚薬の方には反応せーへんのかい 』
「 ええやろ別に……って、この薬、ほんまになんなん?」
『 だぁかぁらぁ、毒薬やて
お前が 勝手に 俺以外で 快感求めた時にこの瓶が反応して、血液の中にこの薬が入ってくねん . 』
「 それで …… ? 」
『 俺で反応してる時は、媚薬 .
違うので感じてると 毒になって、短時間の麻酔的な ?
場合によっちゃあ違うことが起きるかもしれへんな 笑笑』
「 違うことってなんや !!」
『 精神に異常をきたしたり …… ?笑』
「 精神に…… 異常 …… 」
『 大毅には まだ 難しいか ? 笑笑
ほら、 ぼーっとしてないで、第2ラウンドやぞっ …… っあ』
( 精神に異常って 、 もし変異したら俺らはどないなってしまうん…… ?)
何故か わからないけど 、
同じ 小瓶をつけた みんなの顔が浮かぶ.
シャボン玉の ような 透明な玉に映るみんなの顔が 弾けて消えていく .
『 ぼーっと どこ見てんねん 笑笑 』
「あっ、 あぁっ……やぁっ ……っ いくぅっ ……やばぁっ ……っあああっぁ …… あっ ……じゅんぅ ……ったぁああっ ……」
『 涙目……っ やめろやっ ……っ』
「 ごめん ……っあ なさぁっ ……いっ」
『 もう 今日はこの辺にしとくで
もう 体力残ってへんやろ ……?』
淳太を 求める自分もいたけど、
淳太のを受け止めて 痙攣して 疲れ切っている 身体 もあって 、
余計 涙が 溢れた .
バスローブをさらっと 羽織って
部屋を出ていく 淳太を
ぼーっと 見つめていた .
俺って、 なんでここにいるん .
いつから いるん .
ここは どこなん .
俺は なんなん .
余計 泣けてきて 、
鼻をすすりながら 泣いていたら
さっき 部屋を出て行った 淳太が
ドアを開けて 戻ってきた .
『 何 泣いてんねん 笑笑
いつも笑ってるのが お前やろ ? 』
「 ごめんなさい ……っ」
『 ほら、新入りちゃんが 大毅のこと 待っとるから 、 涙拭いて 戻り ?』
「 ありがと …… 」
いつもだったら
偉そうにして 憎たらしい 淳太が
優しい お母さんのようだった .
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!