『 めいと俺は 兄妹やねん ……』
その意味がわからなくて 質問攻めにした.
「 は? 意味わかんない!!
お母さんから 兄の話なんか、
いや、 あんたの話なんて聞いたことないし? あんた、中間でしょ!?わたし、大西なんですけど。顔も似てないし、性格も似てない、何にも似てない!!
なのに 兄妹なんて、なんの根拠があっていうわけ……?」
淳太は 真っ直ぐな瞳で
真実 を 告げた .
『 俺らの家は 貧しくて 、子供を一人育てるので 精一杯だった 。 俺とあなたは年子だから、一歳の俺を親戚の養子にして、俺らの両親はあなただけを育てたってわけ 』
「 は?そ、そんな話、聞いたことないし!?
嘘言うのもいい加減にして !」
ベッドから 飛び上がり 、
風のように 淳太をすり抜け
部屋から出た .
部屋を 出たところに 望くんがいて
ばったり 出くわした .
桃 あ、 あなたちゃ! ❤︎
「 のぞむくぅーん …… 」
現実から 目を背けたくて
現実なのかもわからないくらいの
イケメン望くん に とりあえず抱きつく
桃 なんかあったん? 目赤いで ?
「えっ、嘘 !?」
桃 泣いてたやろ?大丈夫か?
「 泣いてなんて……ないもん……」
桃 淳太となんかあったん?
「 相談、、、乗ってくれませんか、」
桃 当たり前やん ! ええに決まっとる
「 ありがとう、、のんちゃん、、」
桃 ( ひゃああああん ❤︎❤︎❤︎ 可愛いぃ)
のんちゃんの お部屋に 入れてもらった.
のんちゃんの部屋も 私の部屋と同様
白で統一された 殺風景な 部屋.
でも、生活用品はきちんと片されていた .
きっちりとしまわれた
白いシャツが入る棚の上に
1つだけ目立った物が置いてあった .
「 ねぇ、これ何?」
のんちゃんの 肩を叩いて尋ねる .
写真の面を 下に向けられている
貝殻で 彩られた フォトスタンド .
ガラスで加工された 貝殻が
虹色に 輝いていて、
のんちゃんの 殺風景な部屋 や
私の 白い ワンピースを 鮮やかにした .
『 その写真、顔をペンで塗りつぶされてる子 おるやろ ?』
のんちゃんが 言う通り 、
黒のサインペンで 顔を塗りつぶされた
のんちゃんより 小さすぎる背丈の
女の子がいた .
でも、 年齢は のんちゃんより 3つ上.
私と 同い年 …… か ……
「 この子、誰なの ? のんちゃんの お姉さん ?」
『 俺に お姉ちゃんは 1人しかおらん』
「 えっじゃあ、この子誰なの …… ?」
のんちゃんの 隣に お姉さんらしき
凄い顔の似ている人が いて 、
その後ろに 両親 らしき人.
その 両親に 隠れるように
謎の 女の子が 写っていた .
「 えっ、もしかして、おばけとか !?」
すっかり 悩みなんて忘れた私に
のんちゃんが 冷静に こんな事を言ってきた .
『 写真なんかより、 俺のこと見て .』
__もう限界やから ……
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。